第39話 もしかして告白イベント発動?
翌日の放課後。
彼女は、どこか神妙な様子だった。
(……二人きり、静かな公園。これは、もしかして……告白、か!? いや、だとしたら、男の俺から、改めて
「ごめんね。少し、遅くなっちゃった」
公園に着くと、
「ううん、全然。俺も今、来たとこだから」
「あのね……」
ごくり、と俺は唾を飲み込んだ。
「……
「ちょ、ちょっと待って! その話、本当に、
「えっ? ど、どういうこと? ……あの、文芸部のことなんだけど」
「えっ……。あ、文芸部。そう、文芸部、ね……」
想定していた展開と全く違い、俺は盛大に動揺していた。
「同じ部員の、
「……それは、十中八九、いじめだよ」
俺は、きっぱりと言った。
「私一人じゃ、どうすればいいか分からなくて……。もし、よかったら……原因を、一緒に調べてほしいんです」
「もちろん! リリカとリリオにも協力してもらって、絶対に解決しよう!」
「……
「明日、早速、三組に偵察に行ってくる」
「一人で、大丈夫? 私も、一緒に行くよ」
「いや、
「リリカを使えば、リアルタイムでの情報共有とかも、できる?」
「なるほど! その手があったか。
「い、いえいえ、私なんか……。じゃあ、私は、三組の近くの廊下で、本を読んでるフリをしてるね」
「うん。
真面目な話が一段落すると、
「……あの、さ。もう、そろそろ……〝
「ニックネーム……。えーと、でも、俺の中では〝
「……私のこと、『メグ』って、呼んでほしい」
「い、いやいやいや! 呼び捨てなんて、とんでもない! ……じゃあ、『めぐちゃん』、とかは、どうですか?」
「うん、うん! いいかも! ……呼んでみて?」
「……め、めぐちゃん」
俺の顔が、熱い。
「……まだ、慣れないから、少し恥ずかしい、かも。……私は、『はるくん』って、呼んでもいいかな?」
(微妙な変化だけど、これは大きな一歩だ! 本当は〝はるるん〟って呼ばれたかったけど、今は真面目な話の流れだし、ウケを狙うのはやめておこう)
「……ねえ、もう一回、呼んでくれるかな」
「……はるくん。……うぅ、自分から言い出したのに、すごく恥ずかしい……」
顔を真っ赤にしている、めぐちゃんが、可愛すぎる!
俺、今、青春してる! ラブコメの主人公だ! マジかよ! ぼっちだった俺が、好きな子から、ニックネームで呼ばれてる! この、刹那の幸せを、噛みしめろ、俺!
「はるくん、どうしたの? 顔が、すごくニヤニヤしてるけど」
「うおっ、マジか! すぐに顔に出るな、俺! これじゃ、ポーカーとか、絶対に勝てる気がしない」
「ふふふっ。『絶対に負ける』じゃなくて、『勝てる気がしない』なんだね」
「……相変わらず、俺って、バカっぽいだろ」
「そんなことないよ」
「今、気を遣ってくれたかな」
「……だね」
「うぐぐ……。はははっ、うん! でも、任せてくれ! 今回の依頼、必ず、解決してみせるから!」
「(……大好きだよ)……うん。ありがとう」
「……じゃあ、公園を出るまで、て、手を……。い、いえ、何でもないです」
俺が照れながら言うと、めぐちゃんは、『こくっ』と、小さく、可愛らしく頷いた。
そして、にこやかな笑顔で、俺の手を、そっと繋いでくれた。
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