第14話
次の日もその次の日も、美空ちゃんと莉子ちゃんちゃんは私に声をかけてくれた。私と行動を共にしてくれた。
でも、今日は違った。
廊下を歩いていると、賑やかな声が聞こえてきた。中へ入って分かった。
麗華ちゃんが登校していた。
変に緊張した私は深呼吸をして自分の席に座る。すると、美空ちゃんが振り向いて挨拶をしてくれた。
「望月ちゃん、おはよ」
「おはよ」
安心したのもつかの間、美空ちゃんはすぐに前を向いてしまった。
「みっちゃん優しいね。望月にも声かけるんだ?」
「別に普通じゃない?」
美空ちゃんは、ずっと前を向いてお話ししている。麗華ちゃんと、普通にお話ししている。昨日まで私に向けていた笑顔を、当たり前のように麗華ちゃんに向けている。
「私、トイレに行ってくる」
麗華ちゃんはそう言い、私の方へ歩いてくる。そして、すれ違いざまはっきりと聞こえた言葉。
「こっち見んな、きもい」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます