第14話

次の日もその次の日も、美空ちゃんと莉子ちゃんちゃんは私に声をかけてくれた。私と行動を共にしてくれた。

 でも、今日は違った。

 廊下を歩いていると、賑やかな声が聞こえてきた。中へ入って分かった。

 麗華ちゃんが登校していた。

 変に緊張した私は深呼吸をして自分の席に座る。すると、美空ちゃんが振り向いて挨拶をしてくれた。

「望月ちゃん、おはよ」

「おはよ」

 安心したのもつかの間、美空ちゃんはすぐに前を向いてしまった。

「みっちゃん優しいね。望月にも声かけるんだ?」

「別に普通じゃない?」

 美空ちゃんは、ずっと前を向いてお話ししている。麗華ちゃんと、普通にお話ししている。昨日まで私に向けていた笑顔を、当たり前のように麗華ちゃんに向けている。

「私、トイレに行ってくる」

 麗華ちゃんはそう言い、私の方へ歩いてくる。そして、すれ違いざまはっきりと聞こえた言葉。

「こっち見んな、きもい」



 

 

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