夜桜VS有川
「さて、、、そろそろ部屋に戻るか」
夜桜はそう呟いた
「本は私が仕舞っておくわね」
ペリエはそう言って2冊の本を手に取った
「ありがとうございます」
「それじゃぁ、帰ろうか」
そうして5人は各自の部屋に戻るのであった
次の日
「よし、今日は一度模擬戦をみんな同士で行おう」
2日目の訓練も午前が終わり昼食を取った5人に向けてルークがそう言った
「「おー!」」
ほんの少しとはいえ素人だったこともあり自身でも認識できるほどの成長を遂げていた
「誰が一番強いか楽しみだな!」
全員模擬戦が楽しみといった表情だ
「まず総当たりの個人戦をやってその後に女性対男性のチーム戦を行う」
「「おお!」」
「ルークさんの予想はどうなんですか!」
立花がそう聞くと
「個人戦は上から
夜桜
立花
有川
白馬園
十川
だな」
ルークはそう答えた
「あれ?私より有川の方が上なんだ」
「そうだね」
その回答に彩音と十川は驚く
「有川は基礎技術がそもそも立花の次に秀でていて応用力も夜桜の次に秀でてる。指揮力に至ってはこの5人で最も秀でている。つまり全ての能力が秀でているということだ。それは1つの分野の能力に他の能力を上乗せして戦えるということだからな」
それにルークはそう説明した
「「なるほど」」
しっかりとした返答に5人は納得する
「団体戦は圧倒的に男子側が勝つだろう、、、と言いたいんだが夜桜の魔法に制限が掛かるから微妙なところだな。ブルーフレイムなんて下手に当たれば死にかねないからな。模擬戦も武器は刃を潰して行う」
「「はい!」」
「ではまず夜桜と有川で戦ってみてくれ!」
「「はい!」」
そうして夜桜VS有川の模擬戦が始まる
「さて」
(ちらっと夜桜の特訓姿を見ていたけど剣術はこっちの方が上だ、、、剣術はな。スキルでその差を埋められて、、、魔法でドカン、っていうオチになりかねない)
有川は冷静に夜桜との戦闘方法を考える
(俺の勝ち筋はこの弓だ)
有川は弓を握りしめる
(だが、、、近接戦を捨てて勝てるような相手じゃない。どこかで賭けに出ないとだな)
「では、両者、、、構え」
ザッ!
2人は構える
そして
「始め!」
ルークのその言葉と共に
「レッドフレイム!」
夜桜は火の中級魔法
「ウィンドショット」
有川は風の下級魔法を放った
魔法のレベルの差から本来は夜桜の炎が打ち勝つ
ドカン!!
しかしそれは相殺された
「何?!」
夜桜は驚愕する
「そっちは魔法だけだがこっちは魔法と矢なんでな!」
それに有川はしてやったりと言った様子でそう返した
「なるほどな」
(先端は潰してるとはいえあんな速度で飛んでくる物が当たったら一発でどんなにこっちが優勢でも戦況がひっくり返るな)
夜桜は有川の風の矢の危険性に息を飲んだ
「だったら近接戦と行こうか!」
そして夜桜は近距離戦に持ち込むことにした
「付け焼刃の剣術がどこまで俺に通じるかな!」
有川も腰から抜いた剣を構える
そして
ガキン
2人の剣が激しくぶつかり合う
「ぐぅ!」
結果は夜桜が少し押し返された
「魔力強化無しなら俺の方が威力は上みたいだな」
有川は嬉しそうにそう言う
「魔力強化無しならな、、、次は魔力強化ありでだ!」
「ああ!」
2人は再び剣をぶつける
ガキン!!
「がぁ!!」
魔力強化ありでの剣のぶつかり合いでは有川が大きく弾き飛ばされた
「痛って、、、腕が痺れたぜ」
「こっちも少し痺れた、、、練習しないとだな。自分の力を制御できないとかダサすぎる」
「さて、、、そろそろ」
「デモンストレーションは終わりだな」
先ほどまでは挨拶 ここからは
「「うぉー!」」
本気のぶつかり合いだ
「ファイヤースラッシュ!」
「ウィンドスラッシュ!」
お互い魔法を付与した斬撃を振るう
「、、、っ!」
ビュン
そして剣がぶつかり合う数瞬前に有川は風魔法で強引に夜桜の背後に回る
「はぁ!」
そして風の太刀を叩き込む
ビュン!
しかしエレボスは魔力強化で空高くに跳躍し躱す
「レッドフレイム」
そして有川に炎を放つ
「トルネードカッター」
それを有川は竜巻の飛ぶ斬撃で相殺しようとする
だが
ブォン
「しま、拡散しちまった」
魔力制御に失敗して放つことが出来なかった
「おらぁ、くたばれ!」
そして夜桜の炎が
ドカン!!
有川を飲み込んだ
「しゃ!」
そして夜桜は勝利の笑みを浮かべて地面に降り立った
ビュン!!
「は?!」
その瞬間煙の中から有川が斬りかかって来た
「ウィンドスラッシュ!!」
「くっ!」
完全に油断していた夜桜は有川の風の太刀を
ドカン!!
「がぁ!」
どうにか間に剣を間に入れたが勢いそのまま腹に激しい衝撃が走った
「かはぁ!」
(やべぇ、、、完全に骨逝った)
夜桜は骨が折れたことを察した
「くっ、、、アドレナリン出て無かったら痛みで動けなかったぜ」
夜桜はどうにか立ち上がる
「どうやってあの炎を、、、直前でしくじったはずなのに」
夜桜が不思議そうにそう聞くと
「ウィンド・バーストを使っただけだ」
有川はそう答えた
「は?中級魔法ですら失敗したおまえが上級魔法を土壇場で使っただと?」
その答えに夜桜がそう返すと
「ああ。失敗したよ、、、失敗した結果こないだみたいな暴走した風が巻き起こった。それを死ぬ気で頑張って炎の方に向けただけだ、、、どうにか軽めの火傷で済んだ」
有川はそうネタバラシをした
「なっるほどな、、、面白れぇ」
「さて、、、こっちは軽めの火傷。そっちは多分骨折だろ?随分と差があるな」
「速攻でその差をひっくり返してやるよ」
「やってみろ!」
「行くぜ!」
夜桜はそう言うと
「はぁ!」
炎の大玉を空に打ち上げた
「なんだ?」
有川は夜桜の放った炎の大玉が何に使われるかと考える
(ポケモンのりゅうせいぐんでもやる気か?あれ特攻下がるんだよなぁ)
そしてそんな予想を立て終わると同時に
ドカン!!
炎の大玉が爆ぜた
そして
「うっそだろ?!」
炎のりゅうせいぐんではなく炎の波が襲って来た
しかも
(範囲が広すぎて躱しきれねぇ!)
超広範囲魔法なため躱すことができない
(どうする?)
有川は考える
(ウィンド・バーストの暴走はもう無理だ。次は自爆する、、、待てよ?)
「いくらエレボスでも火力を維持したままでこの超広範囲は無理だろ」
そして1つの結論に辿り着いた
「っ!」
(炎の薄い場所を探せ!冷静に考えたらこれエレボスも巻き込まれるんだ。絶対にある)
有川は炎の波を見て考える
そして
「そこだ!」
炎の薄い場所を見つけそこに走る
ドカン!!
そして炎の波が地面に落ちた
「熱っ!、、、だけどちょっと火傷しただけだな」
しかし有川は狙い通り最小限のダメージで対処した
「待って?あ、やらかしたわ」
だが有川は自身の失策を悟った
「これ、、、お互い炎で姿が見えねぇ。でも夜桜は透視できるから場所がバレる」
今の状況は夜桜が一方的に自身の姿を見れるということになった
「クソ!」
(一酸化炭素中毒でお陀仏もあり得るが、、、そこは風魔法でどうにかできる。問題は)
「夜桜が襲ってきた時に対処できるかだ」
(恐らくこの技であっちは魔力の残りが少ないはず、、、これで決めてくる)
有川は弓を構える
「一射必殺、、、外したら死ぬ」
有川は深い集中をする
「、、、」
猛火の中、有川の額には汗がだらだらと出る
「、、、っ!」
ビュン
有川は背後に矢を射る
「嘘だろ?!」
猛火に吸い込まれた矢の方からそんな夜桜の声が聞こえ
ビュン!
猛火の中から体勢を崩しながらも夜桜が襲い掛かって来た
「っ!」
有川は居合の構えを取る
「やってやる!」
そして夜桜も体勢を崩したことで完璧とは言えない状態で斬りかかる
「「はぁ!」」
ガキン!!
そして
「、、、技術で完全に俺は負けてるな」
夜桜はそう呟き膝をつく
「だが、、、勝負は俺の勝ちだ」
そして有川はその場に倒れ伏した
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます