勇者パーティー討伐?の始まり②

 ウォーリアーズ・ビートの面々はさっきまで和気あいあいとしていたのが嘘のように全員が神経を張り巡らせて警戒して毒龍のいる洞窟へと進んでいた。

 

 「まさか…ドラゴン以外にあんな強いモンスターが残っているなんてな」

 「帰ったら冒険者ギルトに新種のモンスターの報告しないとですね。一応、ゴーレムの破片は回収してきましたので」

 

 ケレンはポーチからひとかけらの岩石を取り出す。ケレンはモンスターの一部度と認識しているが、結局これはレナが固めたただの土と岩であることをこの時のケレンは知らなかった。

 レナは次に仕掛けたトラップの場所へと移動する。

 自動的に作動するように施したが、ちゃんと起動するかの一抹の不安とグエルたちの苦しむ姿をこの目でしかと見ようとしたのだ。

 

 「なんだこれ、ここの道草木で生い茂りすぎじゃねえかよ」

 「まーグエルが切り刻んで行くしかないな」


 「頼んだぞ」と、ウェルナーはグエルの肩をポンポンと叩く。

 グエルは悪態をつきながらも両手剣でバッサバッサと目の前を塞ぐ木々を切っていく。

 グエルたちが木々が侵食する道を半分まで進み終えた頃、ウェルナーの足元に何かの引っかかりを覚える。


 「ん?なんだこれ?」

 「皆さん気を付けてください。左右から微量ですが魔素を感じます」


 ケレンが注意を促したのも束の間、道の横の山なりになっている地面は勢いをどんどん強めて土石流となってグエルたちに襲い掛かる。

 

 「ケレン!俺は右を防ぐ。左は頼んだぞ!」

 「分かりました。念のため皆さんにエルス・ハインズを付与します。四人は体を丸めて僕たちの後ろにいてください」


 エルス・ハインズの詠唱をさっきよりも早急に済ませると、ケビンは手を地面にアーズ・ビートの面々はさっきまで和気あいあいとしていたのが嘘のように全員が神経を張り巡らせて警戒して毒龍のいる洞窟へと進んでいた。

 

 「まさか…ドラゴン以外にあんな強いモンスターが残っているなんてな」

 「帰ったら冒険者ギルトに新種のモンスターの報告しないとですね。一応、ゴーレムの破片は回収してきましたので」

 

 ケレンはポーチからひとかけらの岩石を取り出す。ケレンはモンスターの一部度と認識しているが、結局これはレナが固めたただの土と岩であることをこの時のケレンは知らなかった。

 レナは次に仕掛けたトラップの場所へと移動する。

 自動的に作動するように施したが、ちゃんと起動するかの一抹の不安とグエルたちの苦しむ姿をこの目でしかと見ようとしたのだ。

 

 「なんだこれ、ここの道草木で生い茂りすぎじゃねえかよ」

 「まーグエルが切り刻んで行くしかないな」


 「頼んだぞ」と、ウェルナーはグエルの肩をポンポンと叩く。

 グエルは悪態をつきながらも両手剣でバッサバッサと目の前を塞ぐ木々を切っていく。

 グエルたちが木々が侵食する道を半分まで進み終えた頃、ウェルナーの足元に何かの引っかかりを覚える。


 「ん?なんだこれ?」

 「皆さん気を付けてください。左右から微量ですが魔素を感じます」


 ケレンが注意を促したのも束の間、道の横の山なりになっている地面は勢いをどんどん強めて土石流となってグエルたちに襲い掛かる。

 

 「ケレン!俺は右を防ぐ。左は頼んだぞ!」

 「分かりました。念のため皆さんにエルス・ハインズを付与します。四人は体を丸めて僕たちの後ろにいてください」


 エルス・ハインズの詠唱をさっきよりも早急に済ませると、ケビンは手を地面に付ける。やがて土石流を遮るように、巨大な壁が形成される。

 ウェルナーも負けじと盾を前かがみに構えて次から次へと流れてくる土石を受け止めていた。グエルもじっとしていられないと、両手剣を寝かせて防ぎれない土石を打ち上げる。

 数分過ぎると、土石流も流れが落ち着いてやがて流れが止まる。


 「もう…頭がオーバーヒートしそうです」

 「お疲れ様ケレン。それにウェルナーもこんな大量の土石流大変だっただろう」

 「俺は体力と頑丈なことだけが取り柄だ。こんな石ころごときに負ける訳にはいかん」

 ウェルナーは右手に力こぶを入れる。

 

 「グエルさん申し訳ないんですが、僕は当分の間魔法使えそうにないです。流石に短期間に何度もエルス・ハインズを使いすぎました」

 「分かった。ゆっくり休憩してろ」

 「えーもしかしてバカケレンのせいで一旦休まないといけない感じ?こんな気味悪い森で休むとか絶対嫌なんですけど」

 「仕方ないけどこのままドラゴン討伐しに行くか。他のみんなもそれでいいか?」

 

 グエルは頭をポリポリと搔きながら悩んだ末結論を出す。


 「一応毒龍のいる洞窟までは一時間ほどかかる予定です。歩いているうちに少しは回復すると思うので大丈夫です」


 ケレンは息も絶え絶えに首肯する。


 「ま、グエルがそういうのなら俺は合わせるぞ」

 

 ウェルナーは自信気に盾にもたれかかれながらグーポーズをする。


 「ふん、早く殺して早く帰りましょ」


 アシュリーはまるでグエルの決断が当然のようにいつも通りの高飛車な反応を示す。

 クレアとアマリも何も語りはしないが頷いており同意見のようだった。


 「さあ目的地までもうすぐだ。気合入れていくぞ!」


 グエルの鼓舞に誰も声を上げない。しかし、内に秘めた毒龍を倒すという思いは同じだった。


 (ケレンの魔法が使えなくなるのも計画通り順調に進んだ。後は毒龍に討伐するのがバレてバフも間に合わずに倒されるだけ。そして、最後に私が…)


 土石の山に身を隠したレナはグエルたちが進むのを待って見えなくなると土埃を払いながら這い出てくる。

 口元に気味の悪い笑みを抑えきれないレナはグエルたちよりも先にたどり着くべく走り出すのであった。

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