本当の、

花園稔栗

プロローグ

 ──バンッ‼︎一瞬で、目の前が真っ暗闇になった。



 ──お父さん。──大好きだよ。お父さん、いつもありがとう。よく遊んでくれたよね。昔からずっと、ずっとわがままばかりでごめん。お父さんとの思い出は、一生、一生忘れないよ。──だから、お父さんも、私のことずっとずっと、好きでいてね。──お父さんのこと、大好きだよ。

 広い原っぱで、お父さんと遊んだ思い出。キャハハハ!と笑いながら手を繋いで走る幼い私とお父さん。お母さんが動画を撮ってて、笑ってる。微笑ましく遊ぶ私たち家族。

 ──これはいつの記憶だろうか。もう私は大きくなっちゃったけど、お父さんたちとまたこうやって仲良く出かけたいな。

 ──これは、私の家族の物語。

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