「理想」という名の「嘘」

クライングフリーマン

無理は禁物

 昔、『一日一万歩』という、1日に10,000歩歩くことを目標とする健康増進のための行動目標が推奨されたことがあった。2016年位だ。

 だが、この『黄金律』、全く正しくないことが後世に証明されている。

「ウォーキング」自体はいい。「メタボ予防」とかにはなるだろう。

 だが、ここに「絶対目標化」という宗教的強迫観念が付くと、とんでもない結果を招く。

 はっきり言うと、「宣伝しやすい数値」であるだけで「一万歩」に根拠は無かった。

「死守」したら、死んでしまうのだ。

 私の通院している診療所のフィットネスは、長らく「減量」を目標にしていたが、今は「健康」を目標にしている。

 流行病や統計を理由にしているが、健康を害したり、脱落して辞めたりした人間が多いからだ。

 それでも、血圧や「一日ペットボトル500ミリリットル3本」とかを念仏のように言う。

 血圧に関しては、CMで「悪用」されてきた「130(上の血圧平均数値)」を最近また言い出した。

 学会で、130のハードルと140のハードルの「二刀流」 にした筈なのに。

「薬『害』メーカー」のお勧めが裏にある、と言われる。早い話、「血圧下げる薬」を多く売る為には「無理矢理」130モードを目標にした方がいいのだ。

 血圧に関しては、和田秀樹博士が、「自分のベストを目標にすべきだ」と主張されている。

 無理矢理、診療所に逆らったりはしないが、私は「ほどほど」が「オトナの知恵」と心得ている。

 私の数字は130前後をずっと維持している。主治医は「うんうん」と唸るのでなく、首を捻っている。薬のコントロールの結果なのに。

 私が体調を崩し、救急車を呼んだ時は、もっとかなり高い数字(170とか)だった。

 人に寄って、ベストは違うのだ。

 私が熱中症になる時は、必ず「110」とか「120」とかの脈拍だ。

 詰まり、「100」を越えて、なかなか戻らない状態だ。

 梅干しを食べたり、休息を取ったり、で熱中症は緩和していく。

 話を戻して、「一日ペットボトル500ミリリットル3本」という『黄金律』も疑問に思っている。

 人それぞれ、体質体格体調は違うのだ。

 私は、「一日ペットボトル2リットル」は飲む。飲み過ぎ?飲み過ぎなら、体調を崩すだろう。人に寄っては、「一日ペットボトル1リットル」の方がいい場合もある筈である。

『昼寝は15分』。これも、『黄金律』?

『黄金律』に近づけなければ、という『脅迫観念』の方が恐い。

 テレビでは、「色んなケース」の声をインタビューで拾った上で、「お仕着せの『黄金律』」を勧める。「エアコンは〇〇度にしましょう。消してはいけません。」

『マスク警察』『自粛警察』と同じだ。

「テレビを観るとバカになる」。昔は笑い話だったが、流行病のお陰で、『平均化症候群』が備わった人が多いことが判明した。

 だから、政治家は、マスコミを利用し、共存する。

 都合の悪いニュースは流さない。

 一般国民は、バカから脱却しつつある。

「真実を知る」機会が増えたからである。「義務感」に踊らされる人口比率は下がりつつある。

 公助共助が当てにならないから、自助で賢くなる必要がある。

「一日一万歩」?

 膝の軟骨ほぼ無くなった人間には、無用の目標。

「オチは何ですか?それっておいしいの?」

『平均化症候群』に冒された人に問う。

 ―完―




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「理想」という名の「嘘」 クライングフリーマン @dansan01

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