読んでいくと、一つのストーリーが出来上がって行くような、そんな想像力を刺激される短歌集でした。
生と死と隣合わせにあるような戦場のような厳しい世界。その一方で、レモネードとかネイルとか、どこか平和な世界のイメージが混ざり込んでくる。
きつい環境に身を置いている時って、こういうスイーツ的なものが「ご褒美」に感じられたり、それが正気を保つためのアイテムになりそうな感じってありそうだな、と思いました。
そんな極限の環境が描かれる前半部分。そして、柔らかさのある後半部分にシフトしていくのが印象的でした。
ストーリー的には、「過酷な環境に身を置いていた誰か」の物語。そして戦争が終わった後、少しずつ平和な家庭などを築いていくような、そんなイメージも浮かんできそうな感じもします。
短歌の一首一首のどの部分に注目するかで、その人ごとに浮かんでくる物語の雰囲気が変わりそうな感じもあります。
とにかく、何かの絵が浮かぶことは間違いない。そんな風に色々な想像力が刺激されていくのがとても楽しい。
あなたはこの句から何を思い浮かべるか。是非とも紐解いて試してみて頂きたいです。