第5話 東京アイドル事務所

 とりあえず、杉並デビュー局からOKをもらった美咲。

 東京アイドル事務所に行ってみることにした。


 事務所では、みんな一生懸命に頑張っていた。

 既にCMデビューをしている子もいて、まだ美咲よりも若いのに「凄いな」と思えた。そして、その姿は今の美咲にとって、程遠いものだった。


 東京の恐ろしさを、より知った気がする美咲なのであった。



 ここで、3つのデビュー局について紹介する。なお、どのデビュー局でも最終的には東京アイドル事務所へ進出する。


 アイドルの基本を覚えられるのは杉並デビュー局。ここを卒業して有名アイドルになった子も多数いる。また、杉並デビュー局は誰でも入りやすい。


 世界的にも有名なのが日本アイドルデビュー局。数々の成績をもった子が入ってきて、オフィスのように広い空間がある。先生は厳しいものの、口コミでは人気多数である。前には、ここを卒業した子が、とある映画の主人公を演じたほどだ。


 日本デビュー局では、至って普通のことをする。場所は新宿区にあり、大都会のビルの元、建っている。因みに、杉並デビュー局とは仲が悪い。



 さて、いよいよ東京アイドル事務所に来た美咲。スタッフに挨拶をした後、整えられた綺麗な部屋へと招かれた。


 初めての場所に、きょろきょろとする美咲。それを防犯カメラで見ていた二人は、怪しげに、こそこそと話し合っていた。

「今年はアイドルが多そうですよ。去年の中学生アイドルは5人でしたが、今年は倍以上の12人。これは期待できそうですね、バーシー様」

「そうだね、今年はアレがいっぱいできるってことだね」

「はい、そうでございますバーシー様。ところで、1点だけ気になるところがあるのですが……」

「なんだ?」

「実は、今さっき入ってきた美咲という子。あの子がアイドルになるのは難しいんじゃないでしょうか」

 バーシーの目がキラリと光る。

「君は何も分かっていないね。ああいう子が、意外と立派なアイドルになるものなんだよ」

「そ、そうですね……すみません。そういえば、さくらのことですが……」

「まだ話は終わってない!!」

「ひっ……すみません……」

 嫌な空気が部屋を包む。


 一方、美咲は明日からのレッスンに、胸をふくらませていた。

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