第18話 異世界SIDE 修道女
「くっくく……さぁ、聖女メリル、賢者セクトール、ここがお前達の墓場だ……」
私の名はメリル。
今、私達は最大のピンチを迎えている。
「魔王討伐後の勇者パーティを魔族は襲わない。そういう暗黙のルールがある筈です……それがなぜ」
目の前の男は魔族の四天王の1人暗黒騎士ダークコルダ―。
それが立ち塞がっています。
「それは魔族は力が全てだからだ! その長たる魔王様を倒した程の猛者への敬意を払えばこそだ」
「なれば我々はこのまま帰れる筈だ」
「賢者セクトールよ……お前等は魔王様を倒しておらぬ! 勇者セレスは戦い勝利を納めたが、そこで命尽きておるではないか? これはどう考えても『相打ち』ならば、勝者の資格はない……さぁ、戦いを始めようではないか!」
「そんな……」
「待ってくれ! 間違いなく俺達は魔王に勝利した……勇者セレスを……」
ダークコルダ―がピタリと止まった。
「勇者セレスをどうしたと言うのだ? まさか、お前達が殺したという訳じゃあるまいな? 味方を殺すような事はよもやするわけなかろうが!」
まさか、此奴ら全て知っているのか?
「「まさか……」」
「くっくっく、お前等がした事は全部知っている。仲間割れかなにかで勇者を殺したのであろう。 だが、殺すならせめて外でするべきであったな。魔王城の中で魔王様と勇者が死んでいる。これが全てだ。これでは、勇者が魔王様に勝ったとはいえぬ……勇者セレスは良い好敵手であり勝者だった。 だが、それをだまし討ちで殺し、勝者の権利を失ったクズども! さぁ、死ぬが良い」
「待って下さいっ! 助けて下さい!」
「た……たすけてください」
「命乞いか……無様な物だ。殺す価値もない腐ったゴミだ。 いいだろう……命だけは助けてやろう。それで良いのだな! ならば杖を捨てるのだ」
その場にいた魔族全員が嘲笑った。
私達は杖を捨てるしかなかった。
そこからは、魔族たちによる暴力がはじまった。
そして……その制裁とも言える暴力がおさまると……王国の門の前に投げすてられた。
◆◆◆
「この人類の面汚しめ……勇者を見棄てて逃げて命乞いをするとは……」
治療はして貰えたものの今、私達は父である王の元に引きづって来られた。
魔族からの手紙には『勇者を見棄てて魔王城から逃げ出した臆病者』とその詳細が書かれていた。
『違う』
私もセクトールも魔王と戦った。
あくまで魔族側が捏造して、勝利を相打ちに替えられた。
だが、それを証明しようとしたら『勇者殺し』がバレるかも知れない。
だから、甘んじてこの屈辱を受けるしかなかった。
その結果……
「メリル、お前の王族の地位をはく奪する。 セクトールも市民とする。メリルお前には残りの人生を修道女として生きて貰う」
「お父様……」
「当り前だろう? お前は勇者セレスの妻となる筈だった。 その勇者セレスは魔王を倒しつとめを果たしたのだ。 他の男の元になど嫁がせる事は出来ぬ。 見棄てた事についての罰は国の大きな問題になるからこの際目を瞑ろう……意義を申し立てるなら、それも併せて裁判になる。その場合は禁固刑がつく……なにかあるか?」
これは、お父様のせめてもの情けだわ。
文句言ったら牢獄行きだわ。
「「意義ありません」」
そう答えるしかなかった。
勇者との婚約がそんな簡単に解除なんて出来る訳ないわ。
馬鹿な事したわ……よく考えれば分かる事だわ……
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