最後の狩人(ラスト・ハンター)

S.HAYA

序章 彼方より来る声

 世界が始まる前、そこに“何か”がいた。

 名前も、形もない。

 ただ、あまりに古く、あまりに遠い存在。


 人はそれを神と呼んだ。

 怪物たちは、それを忘れようとした。


 だが、忘れられたものは、必ず“思い出される”。



 誰かが耳を澄ませば、声が聞こえる。

 「我を呼べ」

 「門を開けよ」

 

 あるいはただ、沈黙だけが届くかもしれない。


 そして今――

 ヴァンヘルシングが死んだ夜、

 最初の“門”が、音もなく開いた。

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