【第6章:隼人】

ある日、直樹は旧友・隼人と再会する。


隼人はクラスの人気者で、いつも明るく、人を笑わせていた。


そして洋子とも親しかった。


「お前さ、最近洋子とよく一緒にいるよな」


隼人の言葉に、直樹は動揺する。


「……まあ、な」


「お前の気持ち、洋子には伝えたのか?」


直樹は黙った。


「だったら、急げよ」


その言葉は優しかった。

けれど、その奥に、何かを押し殺すような痛みがあった。


(隼人……まさか、お前も——)


直樹は気づいていた。


隼人もまた、洋子に想いを寄せていたことに。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る