📖 第二章：完璧より速さが勝つ

「理想を描いている間に、勝てたはずの戦は終わっている。勝者とは、完璧を諦めてでも“動いた”者である。」

📌 事例1：2020年・コロナ給付金の“遅すぎた正義”

- 特別定額給付金（10万円）の支給は、申請から1〜2カ月以上かかる自治体が続出。

- 一方、ドイツではオンライン申請から2日後に約166万円が振り込まれたという報道もあり、対応スピードの差が国民の信頼を左右した。

構造の誤り：

- 「不正受給を防ぐ」ことを優先しすぎて、

　“届くこと”の価値を軽視した。

- 給付金の設計が“制度の正しさ”に偏り、

　“現場の即応性”を殺した構造になっていた。

戦術：

「戦時においては、“届いた金”が正義や。

　　正確さは、後からでも修正できる。」

結果的に遅くなって更に不正受給者が増えた。

失敗を怖れずに早く対応していたら、受給がおそくて家計が混乱している家族の不満は抑えられていたし、与党がお金を出したくないと政治不信を招く事はなかった。

📌 事例2：2020年・持続化給付金の“遅延と不信”

- フリーランスや中小企業向けの

持続化給付金では、申請から2カ月以上

振り込まれないケースが相次いだ。

- 一部では「不備メールが届かない」

「問い合わせが繋がらない」など、

　制度の“死角”に落ちた人々が放置された。

構造の誤り：

- 外注委託された事務局のオペレーションが

　不透明で、“誰が責任を持つか”が曖昧な　

　構造だった。

- 「正しく申請した人が損をする」状況が、

　制度への信頼を崩壊させた。

戦術：

「制度は“正しさ”より“届くこと”が先。

　不備を恐れて止まる制度は、戦えない。」

早く届ける信用よりも、出し渋りという結果に

映ったのでなるべく早く行動する事が重要。

📌 事例3：2021年・大企業の“完璧な失敗”──

　　　　某航空会社の社内アプリ

- 某大手航空会社が、社内業務効率化のために3年かけて開発したアプリを導入。

- だが、現場の声を反映せず、導入初日から現場が混乱し、結局半年で廃止された。

構造の誤り：

- 「完璧な仕様書」を作ることに執着し、

“現場の試行錯誤”を許さない構造だった。

- テスト導入や段階的展開を怠り、

“一発勝負”に賭けた結果、全体が崩れた。

戦術：

「完璧な設計は、現場の混乱に勝てない。

　“動きながら直す”構造を持たぬ者は、

　必ず崩れる。」

完璧の定義が同床異夢なら上手くはいかない。

少なくとも従業員との目線は合わせる

必要はあった。

📌 事例4：個人の現場──

「転職活動、準備しすぎて逃す」

- ある30代男性、転職を考えながら半年間、履歴書と職務経歴書を“完璧に仕上げる”ことに集中。

- その間に希望していた企業の募集は終了。

- 結局、応募すらできずに終わった。

構造の誤り：

「準備が整ってから動く」という思考が、“機会損失”という敗北を生んだ。

戦術：

「未完成でも、出せ。

　“動いた履歴書”だけが、戦場に立てる。」

他人に結果を委ねるタイプのものは大抵準備を気にして行動出来ない場合があるけれど、成功者の大半は先ずは行動している。

🧠 まとめ：兵法としての“拙速”

「完璧を目指す者は、戦場に立てない。

勝者とは、“動きながら整える構造”を持つ者

である。制度も、企業も、個人も。

“遅れた正しさ”は、敗北と同義や。」

遅れた時点で正しくはないけどね。