休憩室の出来事

「ねぇ。◯◯さんて、知ってる?」

「この間ここで出会った。」

人に興味がない私は、学校の部活の後輩から言われた人の名を、取りこぼしながら、聞いていた。


「最近、会社来ていないでしょう。」

「。。。。」


「そうか。部署もフロアーも違うから、気付いていないですかね。」

「彼ね。実は辞めたんですよ。会社を。」

「辞めたと言うか、契約が終わっちゃったんです。」

「彼、警察に捕まったんです。」

「社員の人に嫌がらせをして。」

「。。。の申し込みをして、社員宅に大量のカタログが届いたそうなんですけど、、。」

「その嫌がらせの犯人が、◯山さんだって。」

微かに一部分、聞き取れた気がする名に、誰のことかが、まだ掴み取れていなかった。

「会社の契約が、突然切られて、自宅待機中に、警察の家宅捜査があり、パソコンが押収されたそうです。」

「汲まなく、ログまでチェックされ、嫌がらせの原因のカタログが請求された痕跡が見つからなかったそうなんです。」

「もう既に、消されていたか?」

「結局、証拠は見付からず、彼は契約が切れて、強制的に会社を去る…ことになったそうです。」


後輩は、凄いビッグニュースを伝えてくれているかの様で、私には、掴み処のない、まやかしの様な話である。


証拠が見付からず、

犯人扱いをされ、

会社の契約を、突如として切られ、

自宅待機中に、警察が家宅捜査。

パソコン押収。で、、。


それは、、。何なんだろう?

悪くない。けど、悪者の様な。

しかも、訂正も言い訳も出来ないまま、退場。


悩める子羊とは、私のことだろうか。

どーやっても、答えが見付からない。

冤罪じゃないのか?これは。


色々と、頭の中にぐるぐると咀嚼して、悶々とした、解決出来ないそれが、悩みと化していく。


捕まらなきゃいけなかったのか?

会社を辞めさせる必要はあったのか?


私の頭は、消化不良として、エラーを表示していた。

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カナリアの唄 山の中のくじら🐳 @hitotubu

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