明くる朝

明くる朝の朝礼で、若い平の男性社員が出世して、グループ長となり、

そのグループ長であった上司は、壁隔てた隣のフロアーの長となることがはっぴょうされた。

大きな島のトップである。


「切ったり。」

「貼ったり。」

「飛ばしたり。」

ドナドナの歌を解説したアメリカ帰りの新しい雲の上の上司の言葉の意味が、目の前で巻き起こる。


言葉にしてはいけないことは、

歌となり、物語となる。


「だって、言えないだろう。」

「国に逆らうなんて、反逆罪だ。」


飛ばされることを拒んだ人は、

切られたり、

給料の大幅減となったり、

部署移動を命じられたり。


会社と言う組織の中で、

退職と言う「死」を意味したり、

左遷や移動、転勤と言う、

言わば半ばリセットと言う様な

「怪我」の様な恩恵を受け取ったりもする。

会社と言う組織の中での話で。。。


人の気持ちは、その人の立場となった時、

はじめて、慌てふためく。

「大丈夫だよ。」

「車でたった、片道7~8時間だから。」

「週末に、帰ろうと思えば、帰れる。」

「単身赴任も良いじゃないか。」

「晴れて、一人暮らし。羽を伸ばせる。」

「独身貴族だよ。」

言葉ではなんとでも言える。

ただし。

当事者は、何を望んでいるだろうか。。。

何を思っているだろうか。。。


「ねぇ。」

「ドナドナって、知ってる?」

雲の上の上司の言葉が、リフレインする。

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