第8話 初特訓
「それじゃあ、みそだれさん、まずは俺が石を投げるからそれを弾くというか、守るというか、そんなことする。刃こぼれとかしたら嫌だからさっとみそだれさんのに似たのを木で作っておいた」
「ありがとうございます。本当に私の武器に似ていますね。というか、いつお作りに?結構時間かかるんじゃ?」
「それはだな…俺のスキルは木を武器に変形させることができるんだ。木の武器なんてだれも作らないから昔はバカにされたりしたんだ」
「稽古場などからスカウトがありそうなのに」
「頻繁に新しい木刀にはしないらしくてな」
「この短期間で3本は潰す勢いで頑張ります!」
「はは、いい心持ちだ」
「それじゃあいくぞー、まず一個目ー」
シュン……ドーーン!
チラッ…
えー…後ろの木に穴が空いてるんだけど何事ですか?
「いやーちょっと力入れすぎたな、投げる場所もずれたし」
「あのー村長さん?」
「どうしたみそだれさん」
「強くないですか?」
「そうか?」
「木に穴が空いているのを見たことないんですが」
「俺のもう一つのスキル【投擲】を使ったんだ。スキルを2つ持ってるやつは珍しいんだぞ」
「すごい人だったんですね村長さんは」
「まあ、2つのスキルは正直にいうとしょぼいから、冒険者にはなれなかったがな」
「なろう系の主人公みたいに組み合わせたら最強とかは…」
「特訓においては最強だぞ」
「では、特訓お願いします。できればもう少し弱く…」
「ん、わかった」
「いくぞー」
今度はギリギリ見えるぞ…ここだ!
バキッ
「お、みそだれさん、宣言通り早速一本潰したな」
「こんな潰し方の予定じゃなかったのに…」
「そうだな、剣を正面から当てずに受け流す感じで。相手の攻撃を受け流すことで相手の態勢も崩れてスキができる」
「なるほど、攻めだけが攻撃じゃないんですね」
「そうだな、戦いはどうやって自分の攻撃を当てるかが重要だ。あ、素人の考えだからそっか程度に残しておいてくれ」
少しずつ戦い方を知っていくのはとても楽しい。元いた世界じゃ体験しなかっただろうな。
あれ、どうして元の世界では体験しなかっただろうと分かったんだろう。元の世界の言語や食べ物とかの知識しか思い出せないのに。段々と記憶が戻ってくるのかな。
「今日はあと数回して終わろうか。休息も大事だ」
「わかりました」
「と、まあ、こんな感じのことをずっとやっていく感じだな」
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何日か村長さんの特訓を受けたし、ガイさんに勝負を仕掛けてみようかな、強くなれた自信がある。
つけだレンジャー MSR @shinalo
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