第13話 喪失
読んで下さりコメントまで、とても嬉しいです。
いつもありがとうございます。
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私の自己犠牲が…私に
私が大切に…大切に…とってあった…
世界で一番大好きな人の…童貞の喪失。
ぐちゃぐちゃに燃え上がる感情。
穏やかな心を持ちながらも…激しい嫉妬によって目覚めた伝説のダークエルフの血。
「じゃあ…ネリーなら…私のネリーなら…
なんで…ネリーから・・・
ーーーー私以外のメスの匂いがしてるの…?」
その湧き上がる激情を抑えながら…アタシは尋ねた。
怒りに身を任せちゃダメ…ネリーは・・・
この状況で…そこら辺のメスに盛ってくるような男じゃない。それは…アタシが1番よく知っている。
きっと何か…理由があるはずだから…
もしかして…脅されたとか…
それなら…本当のことを言って…
「えっ…メスって…あっ…うっ、うん・・・
あとで…ちゃんと話すよ…だから…今は逃げよう?あのリーダーの男を、詩織って…俺の…昔の…幼馴染が抑えてくれているから…」
俺の…?何…その言い方…
それに…幼馴染って…
ネリーの幼馴染はアタシでしょ…?
「その女と…ネリーは…ヤッたの?」
あ゛ーーーもうっ…
ダメだ…言い方がキツくなっちゃう…
悔しい…悔しい……悔゛じぃ……
「えっ…ヤッたって…ああ…その…ごめん…でもサラっ、とりあえず、今は本当にっ!!」
あ゛ぁーーーー否定しない……
でも正直なトコだけは…そこは…
変わってないことに安心してしまう自分が…
チョロ雌みたいでムカつく・・・ぐぬぬ…
「本当に…ヤったんだ…あぁ…うん。分かってる゛…」
でもやっぱり…悲しい…
そしてネリーが伸ばした手を……
浮気男の手だけどぉ゛・・・
命掛けで助けに来てくれた男の手を掴まない女が…いるのかぁぁ…
あ゛ぁぁ゛ぁ…くそぉぉ…
悶々としながらも…ネリーの手を掴むと…その手の感触を感じて…
ネリーの手は治癒師なのに…
豆だらけなんだよね…毎日…才能のない剣の練習をしていたから。
『いざという時には…僕がサラを守るから。』
そう言ってくれた時…
嬉しかったな…
あの時…ネリーを信じていれば…
ネリーの童貞は守れていたのかな…
とりあえず…説明と言い訳は、後で聞こう。
そして、馬車から降りて…馬車がやってきた方向に、目を凝らした。
「その…女って…アレ・・・?」
私は500mくらい先に見える空に浮かんでる…
ひどく破廉恥な格好をして、気が狂ったように戦っている痴女を指差した。
このメスか…ネリーの童貞を喰ったのは…
「えっ…サラは見えるの?今…どうなってる…?」
アレは…劣勢だなぁ…っていうか…
ネリーの昔の幼馴染?泥棒猫?って…人間じゃないじゃん…
心配そうな顔をしているネリーの顔を見て…
ズキって胸が痛くて…一瞬ウソを吐こうと思ったけど…
「ヤバ…そうだと思う…」
私は正直に答えてしまった。
ネリーは…平気なフリをするのが得意だ。
私はそれに甘えてきたから…よく知ってる。
切り捨てなきゃいけない時は…いつもネリーがその役をやってくれていた。
けど…今回は…
「サラ…あのさ。世界で一番君を愛してる。本当に…それは変わらないから。
だけど…アイツを見捨てらんない…何が何でも…生きて帰るから…ごめん。」
ネリーがそう言った。
やっぱりな…
あぁ……
ネリーの…この言葉に嘘が無いのは…分かる。
だって…15年…一緒に居たんだよ。
何で…一皮剥けて…更にイケメンになってるんだよ…アタシが剥きたかったな…
ネリーの…おちん○ん…
まだ…ちょっとくらい…被ってるといいな…
そして…私は自分の手に持っている短剣を軽く振ってみた。間違いない…
刃渡り40センチ程の黒い刀身の短剣。
この短剣は、あの悪魔モドキが持つには過ぎた代物だった。
アレが使っても大して意味が無いけれど、
ダークエルフのアタシが持てば…意味が変わる
この短剣が持つ性能はただ一つだけ
「速度倍加」
めちゃくちゃレアな性能だった。
そして…悪魔モドキを刺した時に、私の剣士のギフトは…『暗殺者』に進化していた。
あ゛あぁぁあ゛ぁぁーーーーー
癪だなぁあ゛ぁぁーーー
「ネリ゛ー・・・?」
アタシが名前を呼ぶと…ネリーは悲壮な顔を私に向けた。
ハァ…本当に…分かってないなぁ…
でも、それなら…アタシが剥いてあげる…♡
ふぅーーーーーっ…
バァッッッッチーーーーーーーーーン!!
「自分1人でッッ!!抱え込むなぁ゛ッッ!!
アタシが大好きならっ、置いていくなっ!!
残された方の身にもなれ゛っ!!このっっ……
ーーーーーーーーーーーーバカちん゛っ!!」
アタシは産まれて初めて…
ネリーの頬を思いっきり引っ叩いた。
ちょっと…スッキリした…
でも…アタシが連れて行かれてしまった時の…
ネリーの気持ちが…分かった・・・
くそブーメランだった。
どちらか1人だけ…生き残っても…
意味ないよね…
ネリー…本当に…ごめんなさい…ペコリ。
「っ!?・・サラ゛……うん゛…あ゛りがと…
ーーーーーチカラ゛貸して欲しい゛ぃ…」
顔をぐしゃぐしゃにして…ネリーが言った。
そんなの…返事は決まってる。
「・・・任せてっ…!!」
「あ゛ははっ…」
アタシの返事を聞いて、泣き笑いの顔で苦笑いしたネリーを見て…
ダークエルフの血が騒ぐ…
っしゃぁっっ!!決めたっ!!
あの痴女の格好をしたメスに゛ぃ…
見せつけてやるッッ!
アタシとネリーの…
最高のコンビネーションをッッ!!
そして…分からせてやるんだからっ!!
ネリーが誰の男なのかってコトをッッ!!
「じゃあ…サラ、馬に乗って!」
ネリーが颯爽と馬に乗って、私に手を伸ばしてくれる。
「うん…ネリー、行こっ!」
その手を掴んで…パッとネリーの後ろに飛び乗って…そしたら…
くっっっさっ!!メス臭っ!!!
何なのっ!コレっ!!
アタシのネリーの背中がぁ…それに……
なんか…馬の背中…透明なのが…カピカピしてるんですけど…
あの痴女のメス……やっぱ…マジ…許さん。
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