第13話 喪失

読んで下さりコメントまで、とても嬉しいです。

いつもありがとうございます。


*********


私の自己犠牲が…私にもたらしたモノは


私が大切に…大切に…とってあった…

世界で一番大好きな人の…童貞の喪失。


ぐちゃぐちゃに燃え上がる感情。


穏やかな心を持ちながらも…激しい嫉妬によって目覚めた伝説のダークエルフの血。



「じゃあ…ネリーなら…私のネリーなら…

なんで…ネリーから・・・

ーーーー私以外のメスの匂いがしてるの…?」



その湧き上がる激情を抑えながら…アタシは尋ねた。


怒りに身を任せちゃダメ…ネリーは・・・

この状況で…そこら辺のメスに盛ってくるような男じゃない。それは…アタシが1番よく知っている。


きっと何か…理由があるはずだから…


もしかして…脅されたとか…


それなら…本当のことを言って…



「えっ…メスって…あっ…うっ、うん・・・

あとで…ちゃんと話すよ…だから…今は逃げよう?あのリーダーの男を、詩織って…俺の…昔の…幼馴染が抑えてくれているから…」



俺の…?何…その言い方…

それに…幼馴染って…


ネリーの幼馴染はアタシでしょ…?



「その女と…ネリーは…ヤッたの?」


あ゛ーーーもうっ…


ダメだ…言い方がキツくなっちゃう…


悔しい…悔しい……悔゛じぃ……



「えっ…ヤッたって…ああ…その…ごめん…でもサラっ、とりあえず、今は本当にっ!!」



あ゛ぁーーーー否定しない……


でも正直なトコだけは…そこは…

変わってないことに安心してしまう自分が…


チョロ雌みたいでムカつく・・・ぐぬぬ…



「本当に…ヤったんだ…あぁ…うん。分かってる゛…」



でもやっぱり…悲しい…


そしてネリーが伸ばした手を……


浮気男の手だけどぉ゛・・・

命掛けで助けに来てくれた男の手を掴まない女が…いるのかぁぁ…


あ゛ぁぁ゛ぁ…くそぉぉ…



悶々としながらも…ネリーの手を掴むと…その手の感触を感じて…


ネリーの手は治癒師なのに…

豆だらけなんだよね…毎日…才能のない剣の練習をしていたから。


『いざという時には…僕がサラを守るから。』


そう言ってくれた時…


嬉しかったな…


あの時…ネリーを信じていれば…

ネリーの童貞は守れていたのかな…


とりあえず…説明と言い訳は、後で聞こう。



そして、馬車から降りて…馬車がやってきた方向に、目を凝らした。



「その…女って…アレ・・・?」


私は500mくらい先に見える空に浮かんでる…

ひどく破廉恥な格好をして、気が狂ったように戦っている痴女を指差した。


このメスか…ネリーの童貞を喰ったのは…



「えっ…サラは見えるの?今…どうなってる…?」



アレは…劣勢だなぁ…っていうか…

ネリーの昔の幼馴染?泥棒猫?って…人間じゃないじゃん…



心配そうな顔をしているネリーの顔を見て…


ズキって胸が痛くて…一瞬ウソを吐こうと思ったけど…


「ヤバ…そうだと思う…」


私は正直に答えてしまった。



ネリーは…平気なフリをするのが得意だ。

私はそれに甘えてきたから…よく知ってる。


切り捨てなきゃいけない時は…いつもネリーがその役をやってくれていた。


けど…今回は…



「サラ…あのさ。世界で一番君を愛してる。本当に…それは変わらないから。

だけど…アイツを見捨てらんない…何が何でも…生きて帰るから…ごめん。」


ネリーがそう言った。


やっぱりな…


あぁ……

ネリーの…この言葉に嘘が無いのは…分かる。

だって…15年…一緒に居たんだよ。


何で…一皮剥けて…更にイケメンになってるんだよ…アタシが剥きたかったな…

ネリーの…おちん○ん…


まだ…ちょっとくらい…被ってるといいな…



そして…私は自分の手に持っている短剣を軽く振ってみた。間違いない…


刃渡り40センチ程の黒い刀身の短剣。

この短剣は、あの悪魔モドキが持つには過ぎた代物だった。


アレが使っても大して意味が無いけれど、

ダークエルフのアタシが持てば…意味が変わる


この短剣が持つ性能はただ一つだけ


「速度倍加」


めちゃくちゃレアな性能だった。


そして…悪魔モドキを刺した時に、私の剣士のギフトは…『暗殺者』に進化していた。



あ゛あぁぁあ゛ぁぁーーーーー


癪だなぁあ゛ぁぁーーー



「ネリ゛ー・・・?」


アタシが名前を呼ぶと…ネリーは悲壮な顔を私に向けた。


ハァ…本当に…分かってないなぁ…

でも、それなら…アタシが剥いてあげる…♡


ふぅーーーーーっ…









バァッッッッチーーーーーーーーーン!!





「自分1人でッッ!!抱え込むなぁ゛ッッ!!

アタシが大好きならっ、置いていくなっ!!

残された方の身にもなれ゛っ!!このっっ……

ーーーーーーーーーーーーバカちん゛っ!!」



アタシは産まれて初めて…

ネリーの頬を思いっきり引っ叩いた。


ちょっと…スッキリした…


でも…アタシが連れて行かれてしまった時の…

ネリーの気持ちが…分かった・・・


くそブーメランだった。


どちらか1人だけ…生き残っても…

意味ないよね…


ネリー…本当に…ごめんなさい…ペコリ。



「っ!?・・サラ゛……うん゛…あ゛りがと…


ーーーーーチカラ゛貸して欲しい゛ぃ…」


顔をぐしゃぐしゃにして…ネリーが言った。

そんなの…返事は決まってる。




「・・・任せてっ…!!」



「あ゛ははっ…」


アタシの返事を聞いて、泣き笑いの顔で苦笑いしたネリーを見て…


ダークエルフの血が騒ぐ…



っしゃぁっっ!!決めたっ!!


あの痴女の格好をしたメスに゛ぃ…

見せつけてやるッッ!


アタシとネリーの…


最高のコンビネーションをッッ!!


そして…分からせてやるんだからっ!!


ネリーが誰の男なのかってコトをッッ!!




「じゃあ…サラ、馬に乗って!」


ネリーが颯爽と馬に乗って、私に手を伸ばしてくれる。


「うん…ネリー、行こっ!」


その手を掴んで…パッとネリーの後ろに飛び乗って…そしたら…




くっっっさっ!!メス臭っ!!!


何なのっ!コレっ!!


アタシのネリーの背中がぁ…それに……


なんか…馬の背中…透明なのが…カピカピしてるんですけど…


あの痴女のメス……やっぱ…マジ…許さん。



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