第10話 自分が求めたチカラ
詩織を押し倒すつもりが。
押し倒された。
「詩織っ!?」
そう口にした俺の唇を、アイツの唇で塞がれて、俺の滾ったモノを掴んで、謝りながら…
詩織は一切の躊躇なく、腰を降ろした。
産まれて初めての女の膣の感触と一緒にブチッって…詩織の処女膜を破った感触がして、
詩織は…罪悪感と喜びで顔を一瞬歪ませたあと、恍惚とした表情で背中を仰け反らせて…
記憶に残る詩織からは想像も出来ないような…
顔と喘ぎ声を出しながら、自分がイったことを俺に伝えてきた。
俺は…そんな詩織に興奮を覚えている。
あの時は…無理だったのに…
詩織の膣は、熱くて、俺のモノに吸い付くように蠢いて、めちゃくちゃに気持ちが良かった。
色に浮かされた頭の中で、パンッ、パンッ、っと詩織が腰を叩きつける音が響いて…
コイツは…自分の顔が今…どんな表情をしているのか…分かってるんだろうか…
泣きながら…俺の上で腰を振って…
サラと俺に謝りながら…よがり狂って…
この先…詩織の魂は、救われることはあるんだろうか?
そんなコトを思い浮かべながら…
俺は…詩織の手を握って、せめてこれ以上コイツが…堕ちることがないように願って…
サラを裏切りながら…
俺はサラを助けるコトが出来たとしても…
僕はサラに嫌われてしまうかな。
そんな考えが浮かんで…
そんな躊躇いで…中途半端に手を出して…
俺は全部を失ってきたコトを、もう一度思い出して。
「詩織っ…出るっっっ!!」
詩織の火傷しそうな程に熱く…蕩けた膣の中に、ずっと溜め続けていた…
憎しみと後悔と…どうしようもない…
捨てきれなかった愛しさを…
「中に゛っ♡中に゛っ、出してっ♡ん゛っっっっっ♡」
詩織の手を離して…華奢な腰をグッと掴んで、
もう逃がさない。
腹の底から昇ってきたドロドロの欲望を…
ぐちゃぐちゃの感情を…詩織の膣に吐き出した。
その瞬間・・・
ドクンッ…っと心臓が跳ねて、
俺の頭の中に浮かんだ言葉。
『隷呪師』
それが俺の新しいギフトだというコトは…すぐに分かった。
聞いたことがないギフトだった。
『奴隷術師』なら聞いたことがある。
神託を受けた時点で、国から保護という名目で首輪を付けられる危険度もレア度もSクラスの人々からは忌み嫌われるレアギフト。
頭に流れ込んでくるギフトの情報から、自分のこのギフトは、それの…上位互換だと理解した。
相手の意志に関係無く強制的に隷属させ支配し、隷属した者の力の一部を使用出来るようになる。
隷属させている者が強ければ強い程、数が多ければ多い程、忠誠度が高ければ高い程、自身の力も強くなり格があがる。
忌諱されるべき最低最悪なギフトだった。
ただ救いがあるとしたら隷属は強制的だが、相手の意志までは奪わないということ。
『貴方はどんなチカラが欲しいのかしら?』
『俺は…もう奪われない…裏切られない…そんなチカラが欲しいです…』
『ふふっ、分かったわ。そしたら…特別なギフトをあげるっ♪きっとこれなら大丈夫だわ♪』
真っ白な空間で、黒髪の女性と会話した記憶が頭の中で断片的に浮かび上がった。
俺が望んだのは…こんなチカラなのか・・・
そして…
俺の上に跨ったままの詩織に目を向けると、
あの時に見た…
気持ち悪い…悪趣味なタトゥーに似た紋様が、詩織の下腹部に浮き上がっていて…
詩織は…歪んだ笑みを浮かべて、それを愛おしそうに撫でていた。
撫でているのは…俺が刻んだ隷呪の証…
自分が…忌み嫌っていたアイツ等と同じじゃないかと思えて…
せめて…これ以上堕ちることがないように願ってたのに、俺は…自身の手で詩織を奴隷へと突き落とした。
唇を噛んで…上半身をグッと起き上がらせ、俺は詩織を抱き締めた。
「カズ…君…?」
「・・・ごめん…」
俺は…前世から一体、何をしているんだろう…
そして、今更…サラを裏切った後悔が…返り血のようにべったりと心に纏わりついて…
暗い心の澱みとなって、深く沈む。
なのに…新しいギフトの所為なのか、それをどこか他人事みたいに感じている自分もいて…
「ごめんって…これのこと?ふふっ…カズ君なら、いいんだよ?だけど…もう離さないで欲しいなぁ・・・」
詩織は笑って自身の下腹部に刻まれた隷呪の印をさすりながら…そう口にした。
俺はただそれに頷いて、詩織の脇に手を入れてそっと身体を持ち上げた。
「ーーーーーーーーあっ……」
まだ深く突き刺さったままだったモノを抜くと…詩織は少し寂しそうな声をあげた。
まったくコイツは…
「ほらっ、早くサラちゃんを助けに行こっ。私…ちゃんと謝らなきゃダメだから。」
「ああ…、そうだな。」
前世みたいに…ならないように…
とにかく考えても仕方がないと…頭を振って…
「本当は…作戦を立てようかと思ったけど…なんかあるか?」
そう詩織に尋ねると…
「うん…いらないかな。カズ君の邪魔するヤツは皆殺しでいいもん。」
そう言って詩織はパッと立ち上がった。
「そっか…ははっ、じゃあ行くか。簡単な作戦だけは、向かいながら決めておこう。」
それからまた、俺達は馬に乗って走り出した。
ーーーーーーーーーーーーー
「ほらっ、もっと近くに寄りなよ。」
逃げ場のない馬車の中で、辺境伯の息子だっていう男が私に近寄ってくる。
気持ち悪い…気持ち悪い…気持ち悪い…
私は両手を胸に抱いて…後ろに下がるけれど、ドンッって壁に当たってしまって…
「なんで…こんな酷いことするんですか…?」
私には理解が出来なかった。こんなことして…何になるんだろうって…
「なんでって…それは楽しいからに決まっているだろう。つまらなかったら、こんなことしないよ。あははっ、君は馬鹿なのかい?」
「楽しいって…そんな・・・」
この人は…吐き気がしそうになる。
「馬鹿だけど…平民にしては綺麗な髪をしているね。瞳の色も…とても綺麗なブルーだ。」
そう言って…この男は、私の髪を撫でた。あまりの悍ましい嫌悪感に、私の肌が粟立った。
「いや゛っ…触らないでっ!!」
なんで…こんなことになってしまったんだろう。私達は、ただ普通に暮らしていただけなのに。
ネリー…助けて…
自分で選んだ筈なのに…やっぱりイヤだよ。
私…ネリーのところに帰れるのかな…
「あははっ、いいね。いつまで続くかな?君がもし逃げようとしたら…そうだなぁ、あの治癒師の幼馴染は奴隷にして…死ぬまで甚振って遊ぼうかなぁ?」
心底気持ち悪い笑顔で、楽しそうに…
この人は本当に人間なのかな…
「なっ、なんで…ネリーは…関係無いじゃないですか…」
「関係ない?関係あるさ、彼はこの楽しい悲劇の主人公なんだから。ヒロインの君がしっかりと悲劇に浸れるように必要な役回りを、ちゃんとこなしてもらうよ?」
「・・・」
もう…言葉が出てこなくて…
この人は本当は悪魔なんじゃないだろうか…
「でも…あの治癒師の幼馴染は君を助けに来てくれるかもしれないね?それが一番楽しそうだなぁ…ゼトに嬲ってもらって…ボロボロになった彼の前で君を犯そうか?」
もうやだ…本当に…神様…お願いします…
助けて…
ただ私は…神様に祈るしかなかった。
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