本作は本編『終焉への道 (Shūen e no Michi)』の冒頭の抜粋である。この抜粋だけでも、作者は、日常と非日常の狭間を巧みに織り交ぜた興味惹かれる構成を演出している。冒頭の買い物とニュースのシーン、社会的な暗さと報道の冷たさが現実を淡々と醸し出す。一方、学園ではほの甘い青春の眩しい日常が微笑ましく描かれ、読者をほっとさせる。しかし、最後の一文で再び、不吉な予兆を読者に提示し、不安定さを投げかける。本作は本編のほんの一つの章であるが、この短編だけでも本作への十分な誘いではないだろうか。
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