第3章 第6話「戦装、整う」
焼津基地・格納庫エリア。
ブースの奥では、各機体に大量のケーブルが繋がれ、内部システムの再構築が進められていた。
「……いよいよ、本物の“戦争”だ」
佑真は、ZAIN‐01の胸部に手を置く。
赤沼梓が端末を操作しながら言った。
「機体の装備、全部見直したわよ。今度の相手は遊びじゃ通用しないからね」
*
【ZAIN‐01】
装備は、原点回帰――だが、進化もしていた。
右腕には、
左腕には、連射性能を重視した牽制用ピストル。近接間合いまでの突入に用いる。
背部には、新型の推進ブースター。瞬間的な高速移動だけでなく、短時間ながら空中戦にも対応可能となった。
「これで……斬り抜ける」
佑真は呟いた。
*
【NOESIS‐02】
中距離戦を意識した再構成。
両肩から張り出す最新型レーダーは、広範囲の戦術情報を瞬時に把握することが可能。
主兵装として、新型高機能ライフルを装備。精密射撃と弾幕形成を両立するバランスタイプ。
頭部には、敵の武装を瞬時に解析・可視化する戦術AIユニットを搭載。指揮官機としての能力が大幅に強化されていた。
総士は静かに、モニターを見つめた。
「目はすべてを見通す……どこまでも」
*
【VELTINE‐03】
スナイパーとしての特性を研ぎ澄ますため、主兵装の長距離狙撃ライフルを強化。射程は従来の1.3倍、貫通力も向上。
さらに、奇襲を受けた際の防衛手段として、左腰部にはコンパクトショットガンを装備。
「遠くから撃ち抜いて、近づかせない。それでも近づかれたら……潰す」
綾杜の言葉は冷静だったが、その奥には確かな決意があった。
*
【SYLPHID‐04】
電子戦に特化するその機体は、より敵陣の情報網を撹乱するための装備へと進化。
主兵装は新開発の電磁妨害バズーカ。弾頭は着弾と同時に局地ジャミングを展開、敵の通信や索敵を妨害する。
さらに肩部には多目的ミサイルランチャーを搭載。小型分裂型のミサイルが敵ACの機動を制限する。
「派手な方が性に合ってる。相手の目を引いて、ぶっ壊してやる」
裕太はニヤリと笑った。
*
準備は整った。スレッドゼロの4機は、それぞれの進化を遂げた。
そして次なる戦場――
ロシアとの全面戦争、その火蓋が、落とされる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます