第4話 旅立ち
気絶させて石をかわす。
そうこうしているうちに最後の1人になった。最後の1人は末だった。
「ごめんな。末。でも同じ罰は受けてもらわんとあかんからね。ごめん」
グサッ
木夏は自分で末を刺した。末は手でピースサインを残して旅立っていった。
(近くの駅はどこかな)
探して探して、やっとKRが走っている小さな駅に出た。しばらくするとクリームに青のラインが入っている古そうな列車が入線してきた。ここから先は土地神による影響で線路が残っていない。
乗ろうとすると運転士に話しかけられた。
「あー。ごめんねぇ。この列車最終で明日まで動かんのよ。」
「ここから、車庫まで回送されないんですか?」
木夏が質問するとしばらくすると
「回送されるにはされるけど、だいぶ遠くまで行くからねぇ…」
「それに乗ることってできないですか⁉︎」
木夏はどうにかしてこの近辺を離れたかったのである。あの物騒な村の残党どもが残っているかもしれないからだ。
運転士さんは、困った顔をしながらも
「運輸司令に聞いてみるからちょっと待っててね」
木夏は深々と頭を下げた。
しばらくすると運転士さんが
「鹿児島駅までなら乗せてもいいとのことだ。さっ、そろそろ回送列車の出発時間だ。乗りな。どこでも好きなところに座っていいからね」
木夏は感動して、思わず大きな声で
「ありがとうございます!」
と叫んでしまった。それが響き、さっきの村の残党たちが追いかけてきた。幸い列車は出発していたから追いつけはしなかったが、列車に向けて発砲しきてきた。
間一髪だった。
そうして、木夏は村を出て、夜道を駆ける列車に乗って鹿児島中心部へと向かって行った。
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