第2話 村

「ここは、桜島ん目ん前ん浜。おはん何処んし?あっ。あたい末」

「よ…よろしく」

(でもどうして…鹿児島に…)

僕、木夏は、沖縄に住んでいた。この荒廃した日本で、凶暴化して目覚め始めた土地神を鎮めるために、旅に出ようとしていたら、土地神に襲われて、海に放り投げられてしまった。そのまま流されて鹿児島まで来たのだろう。

「こっちに村があっで、そこでみんなでご飯にしよう」

方言が強くても言ってることはわかる。5分ほど歩くと小さな村にたどり着いた。

とある一軒の家の扉を開けると

「おんじ。いまじゃった」

(?)

「おぉ、末。どうやった?」

「不漁やわ」

「後ろんしはだいで、末」

(俺のことか…)

「そういえば、まだ名前を聞いちょらんかったがね。」

そう末に聞かれるので、

「俺白岡木夏、沖縄から来た」

と素早く喋った

そうすると末がニコニコして

「ありがとね。おんじこんしね重富海岸に朝漁に行たや流されてきとってん。」

そうして、会話は続き、私は夕食の焼き芋を食べさせてもらって、用意してもらった布団で眠りにつくのであった。

ふと気がついたら目が覚めた。

さっきまで寝ていた末が、布団を出てどこか外へと行ったのである。

外から話し声が聞こえる。

「何か変わったことは。」

「もしかしたらちゆたぁあっと。剣を持った少年が漂着してきもした。剣は捨てちょきもした。剣には土地神と見らるっ血がちちょった。」

「なるほど。ご協力ありがとうございます。ではまた1ヶ月後」

車のエンジンがかかり、末の足音が聞こえる。

(…やばい…)

急いで寝ていたふりをしながら考えていた。

(声的に、男の人が末に質問をしてたよな。末はなんて言ってたんだろ。薩摩弁わからんからな。)

鶏の鳴き声で目覚めた。

外に出て伸びをしていると、他の家の人たちが睨んでくる。

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