後編

「全部売ってやるからね……破滅させてやる。実は、私の『そっち方面のお友達』にあなたの顔写真とぼかしたサンプルも数枚だけ見せたの。そしたら興味津々で……全部売ってくれるなら、最低百万から出すって。だから私、提案したの。もう五十万上乗せしてくれたら、あなたと妹の住所と携帯番号、通学路のデータもお売りしますよ、って」


 私はじらすように微笑むと、梅野君の耳元にそっと唇を近づけて囁いた。


「その人たち、70才のご夫婦なの。きっと……上手だよ。色々と」


「や……やだ……」


 あらあら、可哀想に。

 梅野君、顔面蒼白で涙がポロポロと……

 必死に首を振る姿があまりに可愛くて、私はスマホでその顔を何枚も撮った。


「それ、嫌?」


「嫌……です」


「じゃあじっとしてて。一切動いたらダメ。ちょっとでも抵抗したら……あの変態夫婦に売るからね、全部」


 そう言うと私はルームパンツと下着を脱いで秘部をむき出しにすると、梅野君のズボンと下着を脱がせた。


「先生……止めて……下さい」


「千石さんの事? 彼女とはキスしたの? セックスは?」


 泣きながら首を振る梅野君を見ながら私は錠剤を出して言った。


「はい、飲んで。いつもの奴。今日は量を多めにしたから。……大丈夫だよ。今日、この部屋から出るとき、もうあんなクソガキの事なんて忘れてるからさ」


 そう言って錠剤を飲ませようとしたが、かたくなに口を閉じている。

 これ飲んでくれないと、あなた……駄目でしょ?


「飲んで。アッチが元気になってくれないと困るんだけど……あ、そ。あの夫婦に売っちゃってもいいんだ。ま、お金持ちみたいだし、貢いでもらえるかもよ。……その前に壊れるかもだけど」


 苛立ちを込めながらそう言った。

 いつまでも千石、千石って……決めた、絶対やってやる。

 イライラしてきた私は、彼の口に錠剤を二錠無理矢理押し込むと、彼のバッグの水筒を出して水を飲ませた。

 彼は酷くむせ込んだけど、構わず口に水を流し込む。


 少女のような男の子が苦しむ姿はなんでこんなにゾクゾクするんだろう?

 心理学とかで書いてないかな?


 そしてむせ込んでいる彼をうつ伏せにして片手で背中をさすりながら、もう片手でゆっくりと梅野君の陰部を撫でる。

 彼はわずかに身体を動かしたが、すぐに諦めたのか大人しくなった。

 それから耳を加えたり、胸を触ったりとしている内に陰部が大きくなってきたので、彼を仰向けにして私の秘部を当てた。


 外国のサイトで買っただけあって高い薬だってけど、効果てきめんと言う奴か……買って良かった。

 そう思いながら梅野君を見ると、諦めたのか目を閉じてすすり泣きながら顔を横に向けている。


 ふむ。

 不思議な物で、大人しくなられるとこれはこれで詰まらない。

 どうしようか……


 と、私はふと思い立って彼のすっかり固く大きくなった陰部に自らの秘部をこすりつけながら、耳元で囁いた。


「ねえ、そう言えばすっかり忘れてたけど……今日、アフターピル無いんだ。でも、いいよね」


 その途端、彼はハッとした表情になって私の顔を見た。

 私はニンマリと笑うと続けた。


「で、私今日は……危険日なんだよね。でも、大丈夫だよ。一人で産んで育てるからさ。で、梅野君が19才になったら……迎えに来てね、パパ」


 梅野君は目に涙を溜めながら顔を必死に振っている。

 きっと今すぐ逃げたいくらい怖いんだろうな……これから自分を待つ運命も知っているんだろう。

 でも……無理なんだよね……

 私は、そう考えると興奮で笑えてきて、さらに続けた。


「19才になって結婚式挙げれるようになったら、クラスのみんなも呼ぼうね。みんな驚くよね……特に千石さんとか」


「やだ……いやだ! 助けて! 助けて! お願い、先生……許して……」


 大声で泣き叫んでいるが、抵抗したときの事もあるのだろう。

 暴れないのは素晴らしい。

 ちなみに危険日というのは大ウソだ。

 事前にピルも飲んでいる。


 何せ、妊娠なんてしたらこの子と遊べなくなるではないか。

 妊婦の身で激しいプレイは出来ない。

 それに飽きたら、本当に子供を作ってもいいがそれはまだ数年後に取っておきたい。


「じゃあ……しちゃおっか。ね……パパ」


 私はそう言うと、彼の陰部を……自らの奥に沈めた。


 ●〇●〇●〇●〇●〇●〇●〇


 私は心地よい虚脱感に浸りながら、時計を見た。


 二時間……


 その間、すすり泣き……時に号泣する梅野君を見ながら散々しちゃった。

 彼が大人しくなる度に、妊娠の事や千石さんも梅野君の事を好きだった事などを伝えて、また暴れさせたのだが、これが想像以上に刺激的だった。


 まあ千石さんが好きかどうかは知らないが、どうでもいい。

 むしろ好きで居てくれた方が、私も燃える。

 彼女も梅野君が好きだったら……せっかくだから、千石さんの前でやれたらな……その時のあのガキの顔も見てみたい。


 その時は、後で騒がれると鬱陶しいから「お友達」にもコッソリ同席してもらって、千石さんを売るか。

 そうすれば、ムカつくクソガキにも身の程思い知らせてやれるし、永遠に私と梅野君を邪魔されることもないから一石二鳥。


 うん、今度千石さんにカマをかけてみるか。

 もし、好きだったら……いや、梅野君が好きという時点で、彼女は敵だ。

 そうだ、やっぱり「お友達」に連絡しよう。

 近いうちに……そう、夏休みくらいがいい。


 そしてあのお薬は素晴らしい。


 あまり飲ませすぎると心臓マヒのリスクもあるので、さすがに何度も使えないが……

 私は冷蔵庫からビールを出すと、一気に飲んだ。


「三回もしちゃったね。これ、もう決まりだよね……ねえ、男の子か女の子どっちがいい? 名前も考えようね」


 梅野君は涙で顔をべしょべしょにして、横を向いている。

 ふん、可愛げの無い。

 未来の奥さんは大事にしないと、捨てられちゃうよ。


「さて、じゃあシャワー浴びよっか。もちろん、嫌とは……言わないよね」


 彼を無理矢理立たせると、半ば引きずるように浴室に入りボディーソープを出すと、彼の身体に塗り広げてゆっくりと撫でる。

 さすがに三回も出させたせいで、彼の陰部はピクリともしないがその分くすぐったいのか、身じろぎしている。

 そんな彼にイタズラするのが、終わった後の楽しみなのだ。


「じっとして。まだ終わってないんだからね」


 冷ややかにそう言うと、彼は身を固くしてじっとした。

 私はそれを見て満足そうに微笑むと、さらに全身に塗り広げた。

 撫でて……時々摘まむ。

 そうすると、彼の口から吐息が漏れる。


 私は堪らなくなって、彼を向き直らせる。


「ね……先生にも……して。同じ事」


 彼は、おずおすと手にボディーソープを取ると、私の胸に塗る。

 彼の手の温かく、滑らかな感触が私の胸から身体の奥に、電流のように伝わる。


「ん……ふっ……」


 思わずこれが漏れてしまう。

 手を止める彼に私は吐息混じりに言う。


「止めちゃ……駄目。もっと、して」


 私は彼の手を掴むと、私の両胸に押し当てる。


「ここ……ここ、もっと……触って。好きなの……」


 彼のたどたどしい動きと、石けんの滑りが私の身体の奥に熱い疼きをもたらしていく。

 私は彼の陰部を撫でる。

 すると、また大きくなってきた……


 私は彼を無言で浴室の床に押し倒すと、そのまま跨がった。


「また……するから。絶対に、作ろ……赤ちゃん」


 ●〇●〇●〇●〇●〇●〇●〇


 いつの間にか寝てしまったらしい。


 ベッドの上で目覚めると、もう時計は21時半だ。

 まずい。

 ゆっくりしすぎた。

 いい加減、梅野君を家に帰さなければ。


 結局、浴室で火が付いた私は、その後も嫌がる梅野君にベッドの上で身体を散々なめ回させた。

 本当は薬をまた飲ませようと思ったが、飲ませすぎは心臓に過度の不可をかける。

 これほど気持ちよくしてくれる人を失いたくはないではないか。


 そう思っていると、梅野君がコップにビールを入れて持ってきてくれた。


「はい、先生。どうぞ」


 彼はニッコリと微笑んでいる。

 あらら、何がどうなったのやら。

 さっきまで泣き叫んでた子と同一人物とは思えない。


「どうしたの? さっきまでと全然違うじゃん」


 ビールを一気に飲み干してそう言うと、梅野君は照れくさそうに言った。


「僕……恥ずかしいですけど、先生の事……好きになったかも知れません。だから……」


 これはこれは……

 私はビックリして梅野君をマジマジと見た。

 ついに「身も心も手に入れた」って奴?

 これなら、ますます千石さんは処分しないと。

 梅野君を帰したら、お友達のご夫婦に連絡しないとね。

「可愛い女の子はどう?」って。

 好きにアレコレ試してもいいから、とでも言えば喜んで食いついてくるだろう。


 でも、彼の前でやるのは許してあげようかな。

 もう、そんな必要もないし。


「それは嬉しいな。先生、本気にしちゃってもいいの?」


「もちろんです」


「ふふっ、じゃあ明日も可愛がってもいいのかな?」


「よろしく……お願いします」


 そう言って梅野君は頬を赤らめた。


 ふふっ、可愛い男の子は恥ずかしがってる姿も……また……あ、あ……れ。


 私は心臓の動悸の激しさに大きく息を吐いて、左胸を押さえた。

 心臓が……痛い。


 ますます激しくなる痛みに、私はベッド上から転げ落ちた。


「助け……て」


 息が……出来ない……痛い。

 ぼやける視界の隅にふと、何かが見えた。

 あれ……は。


 目に入ったのは、私が梅野君に飲ませた錠剤のシートだった。

 それを見た私は愕然とした。


 十錠ほどのシートが……全て破れて……空だ。


 私は梅野君を見た。

 この……ガキ……


 梅野君は真っ青な表情で震えながら、服を着ると部屋から駈けだして出て行った。

 こんな事なら……もっと早くに……妊娠しとけば……ちくしょう。


「助けて……助け……死にたくな……い」


 私はそこまで言葉を絞り出したが、締め上げるような心臓の痛みのため……視界が……真っ暗に……


【終わり】

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朱色の疼き 京野 薫 @kkyono

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