女神に守られた平和な国、アルディーナ。
最初は美しい神話のように見えていたその世界が、物語が進むにつれて、少しずつ違うものを見せてきます。
平和とは何なのか。
守られるとはどういうことなのか。
誰かの犠牲の上に成り立つ安寧は、本当に救いなのか。
読みながら何度も考えさせられました。
重い展開もあります。
つらい場面もあります。
でも、この作品は人を見捨てないんです。
力を失っても、何もできないと思っても、誰かが手を伸ばしてくれる。
誰かを助けたい、守りたい、そばにいたい。
人らしい気持ちが、何より強い力になるのだと感じました。
神声者たちの祈りの言葉も、とても美しいです。
言葉そのものに力が宿っているようで、何度も震えました。
そしてクライマックスは、本当に鳥肌ものでした。
登場人物たちはみんな傷を抱えています。
迷ったり、間違えたり、折れそうになったりもします。
それでも根っこにあるのは、「誰かを護りたい」という願いなのだと思います。
神に縋るのではなく、人が人として手を取り合って生きていく。
弱くても、弱いままでも、誰かと繋がることで前へ進める。
美しくて、苦しくて、でも最後にはちゃんと希望が生まれる物語でした。
読後、ああ、出会えてよかったなあとしみじみ思える作品です。
女神の加護が失われた世界から始まる本作は、静かなダークさを漂わせながら、女神と「神声者」の立場の説明などによって、物語が丁寧に立ち上がっていきます。
そして女神の代理人である元「神声者」のパティアは、さまざまな出会いを通じて、自身の本当のあり方を見出していく。
美しい筆致でつづられる世界は、読んでいるだけで神聖な心地がしてしまうほど。
同時に美しいだけでは終わらない物語は、時に胸に迫る緊張が押し寄せ、けっして一筋縄では済まない状況が常に置かれてあります。
ともあれ、パティアの祈りの場面は精細で美しく、絶望の中にあってこそ、祈りに真の力が宿るように感じたものです。
救いを求めるのは何も物語の世界のみならず、この現実世界のメタファーとしても機能しており、より身近なものとして読み進めることができました。
闇があるからこそ希望の光を灯る、美しくも共感性の高い物語です。
女神に護られていた世界。
――しかし、その庇護は何者かによって崩壊した。
混沌に包まれた世界で、元神声者の少女・パティアと、商人の少年・カルシュは出逢う。
そして二人は、世界を巻き込む大きな運命へと足を踏み入れていく――。
まず惹き込まれたのは、神秘的で美しい文章でした✨️
ですが、その美しさの裏では、世界は確かに壊れていて、嘆き苦しむ人々の姿に胸を締め付けられながら、「どうか救いがあってほしい」と願いながら読み進めていました😁
“美しい世界”だと感じていたものが、やがて“絶望”へと変わっていく。
だからこそ、その中で人々が何を想い、どう生きようとするのかが、強く心に刺さります。
特に印象的だったのは、「人はどう生きるのか」「信仰とは何か」「自由とは何か」というテーマを、真正面から描いているところでした✨️
キャラクター達も魅力的で、特にパティアの生真面目で少し不器用なところは、本当に目が離せませんでした😁
彼女がいるなら入信しようかな(笑)
絶望の中でも、人は願い、祈り、誰かを想う。
そんな“生きること”の尊さを感じさせてくれる、とても考え深い物語でした✨️
とにかく文章が美しく、ぐっと引き込まれます。
物語は、女神に護られた国アルディーナの神話のような美しい世界から始まります。
けれどその世界は突然崩れ落ちます。
聖地は炎に包まれ、神声者たちは滅び、
少女の姿でパティアは女神なき世界に放り出されてしまう。
喪失から始まる物語です。
それでも物語が進むにつれて、パティアの心に灯るのは人のあたたかさでした。
カルシュやリエッタと出会い、彼女は女神の代理人ではなく、
一人の人として“人”と出会っていきます。
美しいだけではなく、まがまがしい闇が迫る展開には、
息苦しくなるほど引き込まれました。
そして最後。
女神の時代は終わるけれど、人が人の手で世界を作っていく希望が静かに残ります。
ラストは、カルシュの明るさとまっすぐさに救われました。
人は弱いけれど、強いのだと思わせてくれる物語です。
静かな祈りのように、読み終えたあとも希望が胸に灯る物語でした。
女神の守護によって永い繁栄を享受していた国を中心に添えて描かれる、異世界ファンタジー作品です。
女神と最初の王の契約によって、超常の力に守られる世界。
そこでは女神の代弁者たる神声者たちが、時に土地を守り、時に人の心を守っていました。
けれど、滅びは唐突に訪れます。
女神を反転したに等しい力が現れ、一日にさて信仰の要である塔を破壊してしまったのです。
この滅びによって多くの神声者は命を落とし、拠り所を失った人々は新たな宗教に傾倒し始めます。
土地は痩せていき、人々の心には影が差していく。
そんな世界にも、救いは残されているのか。
ぜひ読んでみてください。
とにかく人物、情景描写が美しい作品です。
一度でも小説を書いた事がある方、そしてこれから新作を書こうと見習うことばかり⋯!
作品のご説明にある通り、「喪失から始まる」というこのテーマ。
序盤の『アルディーナ』で起きる衝撃的な展開から一気に物語に引き込み、それを体験してしまえばもうこの先の展開を追わずには居られなくなる。そんな仕掛けが施されています。
序盤ではパティアさんメインでストーリーが進みますが、徐々に様々な考え方が持つキャラクター達が登場し、各人の持つ思想などが交差していく所も魅力的✨
是非、まるで星空の下で読んでいるかのような気分にさせてくれるこの御作を楽しんでいただきたいです!