異世界の学園で素敵なお友だちができました~仲良くなるために、魔法修行がんばります!~

まりんあくあ

第一章 初めての異世界転移

第1話 『異世界通話』を始めよう

 あたしの名前は小鳥遊たかなし 詩雛しいな、四年生だよっ。仲のいい友だちには「しーちゃん」って呼ばれてる。


  あたしには大親友がいたんだ。その子の名前は守川もりかわ 怜奈れな、「れーちゃん」って呼んでた。れーちゃんは同じ四年生で、小さい頃からずーっと一緒だった。学校、放課後、お休みの日もずーっとね。

 でもね、れーちゃんは三年生の終わりにおじさんの仕事の都合で転校しちゃったんだ。

 いっつも一緒だったれーちゃんがいなくなって、毎日がものすっごく退屈になった。毎日毎日がつっまんない。

 そんな時、誕生日にスマホをプレゼントしてくれたんだ。


「これでいつでもれーちゃんに連絡出来るでしょ」


 って言われたんだけど、れーちゃんまだスマホ持ってないんだって! 


 ── なんだよそれ、意味ないじゃん!



ブーたれていても、ないものはしかたない。せっかくだから新しいお友達が欲しいなーって思いながらスマホをいじっていたら不思議なアプリを見つけた。


そのアプリの名前は『異世界通話』。この世界とは別の世界にいる人と友だちになってみませんか、というアプリだ。

 ただのゲームだろうけど、無料だし面白そうだなと思ってダウンロードしてみた。


 インストールが終わって、『開く』をタップ。先ずは自分の情報を登録するみたいだ。


 名前?  しーちゃん  でいいや。 

 年齢?  十歳 っと

 今いる世界?  え、『地球』でいいのかな。

 場所?  『日本』でいいか。

 種族?  人、でいいのかな。


 ポチポチ登録していく。


 ── え? カメラで写真撮るの?  大丈夫かな……ま、後で非公開とかにしといたらいいかー。


 パシャッ。


「……よし、登録 おわりっと」


『登録する』ボタンを押して完了だ。スタートボタンをタップすると、


『ようこそ。こちらは交換台です。こちらの世界とあちらの世界をつなぎ、異文化交流を推進します。あなたが交流したい方はどなたでしょうか。同時翻訳でお繋ぎします。お好きな方との通話をお楽しみください』


 というメッセージが流れた後、ズラズラズラと色んな顔写真の並んだページが出てきた。写真の下に簡単なプロフィールが載っている。狼男、妖精、宇宙人! 中には魚の頭を被った魚人なんてのもある。


 ── ふふん。だ・れ・に・し・よ・う・か・なーっと。


「ん?  あ、 この子かわいい!」


 それは、ピンクの水玉模様の服に、おそろいのリボンを耳に付けたウサギの人形の写真だった。


「えっと、名前は ソフィー 。種族が 人形?  場所は ワールドエンドミスティアカデミー。聞いたことないなあー ……よし、この子にしーようっと」


 あたしは 『ソフィー』という名前の写真を選択し、通話ボタンを押してみた。


 トゥルルル ……


「はい、もしもし。ソフィーです」


 とっても可愛い声がスマホから聞こえて来たよっ。

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