第二話
そして私は、
私が住んでいるここヨミフ国の
理由はもちろん、鉄を手に入れるためだ。鉄があれば、レンガ
ハッキリ言って
ガナス国は、ハッキリ言って
そしてもちろん戦争は、現在も続いている。そしてヨミフ国とガナス国の、多くの兵士たちが
でも国王は、戦争を止めるつもりはないらしい。戦争に負ければガナス国は鉄を手に入れて強力な武器を作り、このヨミフ国に
しかし戦争に疲れている国民は、そうは思っていない。だから、このどうにもならない状況から
そうしていると、食器を洗い終えた。私はこの食堂を、
つまり私は調理場の左側で食材を切って、正面のかまどで料理をして、右側で盛り付けている。そうして私は一人で、この小さな食堂で料理を作っている。
でも私は、それでいいと思っている。あまり人が多く入ることができると、忙しくなりすぎるからだ。この食堂に一度に入れる人数は、三人くらいがちょうどいいと思っている。その方が私のペースで、料理を作れる。それも、大事だと思う。
そして私は『スキャン』という魔法で、お客さんの体の悪い部分を見つけて、それが良くなるようなメニューを考えて後ろの小さな調理場で料理をする。
だからここはメニューが無い、ちょっと変わった食堂だ。そして、もう一つ変わっているところがある。それはどんな料理を作っても、料金は全て五百ゴールドだということだ。
本当は、もっと高い料金をもらってもいいはずだ。魔法を使ってお客さんの体の悪い部分を見つけて、それを良くする料理を作っているからだ。でも長い戦争のせいで、この国にも貧しい人たちは多い。だから高い料金はもらわないで、全ての料理の料金を銀貨一枚の五百ゴールドにしている。
それでも一カ月で、それなりの
そこまで考えて私はふと、食堂の左側を見つめた。日が
入ってきたのは銀色の
でも今日はこの三人で、閉店にしよう。そうして私は新しいお客さんに少し緊張しながらも、がんばって元気に三人の男に
「い、いらっしゃいませ~。ど、どうぞ三人とも、イスに座ってください~」
すると鎧を着た、一人の男が答えた。
「いや、
そして鎧を着た二人の男は、ドアの前に立った。残った男は、黒いコートを護衛の男に手渡した。そして
「あなたがこの食堂の女主人の、ナヒコ・オリシさんですね?」
「え? ええ、そうです。でも、どうして知っているんですか? どなたかから、聞いたんですか?」
するとその男は、軽く
「はい。今、城ではこの食堂のウワサで持ちきりですよ。まだ若い女主人が魔法で体の悪い部分を見つけて、それを良くする料理を出す店だと」
それを聞いて、私は考えた。お城? とうことは、この人はお城の関係者だろうか? 確かに以前、お城で
「するとお客さんも、お城で警備の仕事をされているんですか?」
私がそう聞いてみると、ドアの前に立っている護衛の男が答えた。
「いや、違う。そのお方はこの国の第一王子、トミヒ・ヨミフ様だ」
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