【完結済】食堂で魔法『スキャン』を使ってお客さんの体の悪い部分を見つけて、それを良くするための料理を作っていたら第一王子に妃になってほしいと告白されました
久坂裕介
第一話
初めて見る顔なので
何度もきてくれる常連さんには
この新しいお客さんも常連さんになってもらえるように、がんばって
「い、いらっしゃいませ~!」
すると、おじさんはヨロヨロとした
「はあ~。どうも最近、体の調子が悪くてね。ここにくれば、元気になる食事を出してくれるって聞いてきたんだけど……」
なので私は、笑顔を作って答えた。
「は、はい、そうですよ。で、でもそのためには、ちょっとやることがあるんです」
するとおじさんは、疑問の表情になった。
「え? やること?」
「は、はい。す、すみませんが、ちょっと立ってみてください」
と私が
「えーと、こうかい?」
「は、はい、ありがとうございます」
そして私は、右手をおじさんにかざして魔法を
「スキャン!」
すると私の右手は、ボウと青色の弱い光を
「おじさん。ひょっとして毎晩、お酒を飲んでいませんか?」
すると、おじさんは少しうろたえた表情になった。
「え? どうして分かったんだい?」
「はい、魔法で調べてみたんです。そしたらおじさんの肝臓が悪そうなので、原因はお酒の飲みすぎかなと思ったんです」
するとおじさんは、感心した表情になった。
「なるほど、魔法でねえ。うんうん。ちょっと
なので私は、提案した。
「それでは、お酒の飲みすぎの肝臓に良い料理を作りたいと思いますが、
「うんうん。それを頼むよ」
「はい」
と私は
「フレイム!」
すると、かまどに炎が出現した。この炎はしばらくの間、存在する。もちろん料理を作っている
そうして料理を始めて、できあがった。私はそれを、正面のカウンターに並べた。メニューはキャベツの
キャベツには
カキには肝臓に必要な各種ビタミン、ミネラル、アミノ酸、グリコーゲン、タウリンが含まれていて肝臓を強くする効果がある。
シジミには、たんぱく質、ビタミン、ミネラル、タウリンが
そして、主食のパンだ。さあ、これらの料理を食べてもらおう! すると、おじさんは早速、食べ始めた。美味しい、美味しいと言いながら食べてくれたので、私は安心した。全ての料理を食べ終わると、おじさんは呟いた。
「ふー、美味しかった。何だか、肝臓の調子が良くなった気がするよ」
それは良かった。でも私はおじさんに
「ありがとうございます、おじさん。肝臓の調子が悪くなったら、またきてくださいね。でも、やっぱりお酒の飲みすぎには注意してくださいね。肝臓が悪くなると、疲労感を感じたり体がむくんだり食欲が低下したりしますから」
するとおじさんは、右手で頭をかいた。
「うーん、そうだねえ。気を付けるよ……。で、この料理の料金はいくらだい?」
「はい。五百ゴールドになります」
「そうかい、そうかい」と、おじさんは私の目の前のカウンターの上に五百ゴールドである
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