僅かな論理の歪みは種として恐怖の感情へと育ちます
- ★★★ Excellent!!!
作者様は情緒ある作品を多く著していらっしゃいますが、本職では製薬企業に勤める所謂理系人間です。
一つの文書を他の文書と照らし合わせることなく虚偽と見抜けるのか。それは大変な問題です。その点で作者様は抜かりありません。町の公式ホームページの文章に、稚拙な、僅かな論理の歪みを校正せず残しています。多くの読者様が歪みに気づくことでしょう。
本作が行き着く先は恐怖の感情です。僅かな論理の歪みは、お天道様の下で言えないことを暗示しています。
闇の中で、町民が点す灯りに浮かび上がる、人間の狂気。歪んでいて、歯止めとなるべき感情が逆に後押しすらしていて。
さて皆様、本作を読んだ後に、家で安心して眠れますでしょうか。