第2話コード対策協会
「着いたぞ」
コード対策協会の会長出雲大國さんが私の乗っている方向の扉を開けてくれた。
「ありがとうございます…」
「まぁ、そんな畏まらなくていい」
私は、数分前そこの会長にV戦士になってくれとスカウトを受けて勢いに任せて『はい』と言ってしまったのだ。何でそこで肯定的な言葉を答えてしまったのだろうと後悔している。
私達は、協会内に入りフロントの人に会釈をしてエレベーターに乗った。エレベーターが50階で止まり私たちはエレベーターを降り、会長室に入って行った。
「お帰りなさいませ。会長」
「あぁ、ただいま戻った」
部屋には秘書の方が居て当たり前だと思うが凄いと思った。
「こっちだ」
私は会長に連れられ一番奥の部屋である応接室に案内された。
「座ってくれ」
そして、私はソファーに座り会長も反対側のソファーに座った。
「まずコード対策協会にようこそ」
会長が、そう言いった。
「あ、ありがとうございます」
「そして…すまない」
急に謝ってきた。
「え、あ、え?なんで謝るんですか?」
あたふたしなが、会長を見ていると。
「急に呼び出してすまなかった。急に呼び出されたからもしかしたら無理して連れてきたのではないかと思ってしまってね」
正直最初はそう思った。しかしこの一連の事件を招いたのは私だ。ギルドの方にも協会の方にも迷惑をかけた。私がここに居ては迷惑だと思った。
「あの…」
「何かな?」
「その、この事件たぶん私が原因なんです。昨日セーフティーアバターゾーンに私のアバターを入れなかったから…」
そう私は言ったのだが会長さんは、
「いや、君のせいではない。アバターをセーフティーアバターゾーンに入れなかったのは良くない。しかし、今回のノイズは、コード赤として発生した。つまりセーフティーアバターゾーンに入れても無意味だと言うわけだ」
しかし、そう言われても申し訳なさで下を向いてしまった。
「まぁもし、何か罪滅ぼしをしたいというのならここに入れ」
「………ッ!!」
そう言われて私は直ぐにソファーから立ち上がり
「お願いします!!」と声を上げていった。
「よし、それならとりあえず正規の手続きをしよう」
数十分後……
「終わりました」
そう言い私は会長さんに書類を渡した。
「ふむ…」
会長さんは書類を見て立ち上がり、ついて来て
と言った。
会長と私はエレベータに乗り地下に行った。
地下には明かりは最小限しか無く、少し湿気があった。
「あの…何処に行くんですか?」
と聞いてみるも会長さんは無言のままだった。
あの質問からどのくらいの時間が経ったのだろうか…。
実際は数分くらいしか経っていないだろうが私には数十分に感じた。
そしてそんな事を考えていたら会長さんが止まり、着いたぞと言い部屋に入って行った。
その部屋の名前は『特殊学生V戦士部隊第一部屋』と書いてあった。
私は足を進め扉の中に入って行った。
とある地下研究所
「今回はダミーアバターの改良型第一号を導入しよう」
そう言いながら『ダミーアバター改良型第一号プログラム』と映っているパソコンの画面を見ながら最終調整に入っていた。
「クククククッ。奴らも急な進化には対応ができまい…」
カタカタと動くキーボードと研究室の研究長の甲高い笑い声だけが響いていた。
プシューと自動ドアが開き私は部屋に入った。
「お、おじゃまします…」
そう言い部屋に入った途端「いらっしゃい!!」という声が聞こえた。聞こえた方を見てみると、髪を結ばず髪留めを着けている金髪の女の子が立っていた。
「あの…」と私が質問しようとすると、「私の名前は芒野凛(すすきのりん)!!よろしくね」
凄く明るい笑顔を見せられたものだから私はつい
「あ、ヨロシクオネガイシマス」と萎縮気味に答えてしまった。
すると、芒野さんの声を聞きつけたのか黒髪で赤い目の男の子が現れた。
「おい、そんな圧かけたら返事するにも出来ねえよそいつ」
「えーーー!!そんなことないよーー!!ブーー」
と芒野さんは頬を膨らまして反論したが男の子は、やれやれと首を振って私に近づいた。
「俺の名前は黒雷政宗(こくらいまさむね)だ。よろしくな」
「よ、よろしくお願いします」
そう私が返事をすると黒雷さんは、
「ほらな、俺の言った通り圧をかけなければちゃんと挨拶してくれるんだよ」
と芒野さんを見ながらフフンッと鼻で笑った。
芒野さんはほっぺを膨らまししばらくムーッとやっていたが、はぁ〜とため息を吐き私の方を向き
「ねぇねぇ、あなた名前は?」と私に聞いた。
「私は弥生梅雨です」
そう答えると芒野さんは、「弥生ちゃんね。よろしく!!」と言い手を前に出したので私も答えるように手を前に出し、握手を交わした。
握手した手を離し私は聞いた。
「あの、ここの部隊って3人だけ?」と。
すると芒野さんはうんと頷いた。
自己紹介が終わって数分経った時、会長さんが隣の部屋から出てきた。
「3人共準備できたぞ」
「「は~い!!」」
と黒雷さんと芒野さんは返事をした。
「え、何?」
私は困惑しながらついて行った。
二人は隣の部屋に入っていったので私もついて行くように入ったら機材が置いてあった。
「あの、ここは?」
私は会長さんに聞いた。
「あぁ、ここは配信室だ」
「配信室?」
会長さんは続けた。
「実はこの部隊は、V戦士になるために必要なコア装置V.Eの制御基準値が達していない人たちが一時的に配属される場所なんだ」
『そういう部隊なんだ』と思いつつ私は担ったことを聞いた。
「あのV.Eて?」
「仮想戦士システム制御用人工眼球の略だ」
私の頭の中はハテナでいっぱいになった。そして会長は私の顔を見てまだ分かっていないことを察したのかちゃんと説明してくれた。
「まぁまだ配信開始まで時間あるし、詳しく話してやろう。仮想戦士システム制御用人工眼球通称V.Eは、初代V戦士が教えてくれた技術だ。V戦士システムは知っているか?」
会長は私にそう言い顔を向けてきたので私は、 「はい」と答えた。
「確か、V戦士になる為に必要なモノだとか…」
すると会長は「そうだ」と言って話を続ける。
「そしてV戦士システムは生身の身体では絶対に制御できない莫大の力だ。その為に制御装置が必要だった。そして我々は、初代V戦士にV.Eという技術を受け取った」
「あの、人工眼球だったら私の目はどうなるんですか?」
すると会長はこう答えた。
「安心しろ、お前たちの目を一時的にくり抜きこの核を眼球の中心に入れてまた入れる。すると核が神経と繋がるための神経モドキが出るから待っていれば繋がるぞ、だから安心するんだな。契約書にも書いてあっただろうが、この部隊の配属期間が終わっても定期的に配信してもらうからな」
私は目が痛くなったどうしても目を取るのを想像してしまう。私は、心の中で「そんなの安心できるかーーー!!」と叫んだ。
そして私は、なんで配信をするのか?そして、配信するとV戦士システムが何故使えるようになるのかまだ分からなかった。
そんな事を考えている私を尻目に、会長は時計を見て「そろそろ配信の時間だ」と言い私を左奥の席に座らせた。
隣には芒野さん右奥には黒雷さんがいた。
「それじゃあ始めようか」
そう、芒野さんが言った。
黒雷さんも「そうだな」と言い画面に向き合った。
私も「えぇ」と言い、画面に向き合った。
そして、会長さんは部屋から出て行き配信が始まった。
地下研究所…では無くとある島国の極秘政府機関。
「最近とある島国からたくさん配信用電波がこちらに流れてくる」
■■■■電波管理大臣が言った。
「そうだな…このままではここの電波がショートしてしまう」
■■■???国周辺監視大臣も言った。
「確かに、逆探知してみるか?」
電波管理大臣が聞くので???国周辺監視大臣は、
「お願いしよう」と言い席から立った。
「あの何処へ?」
電波管理大臣が聞くと、「少し気になる点があってなそれを調べてくる」と???国周辺監視大臣はデータ室に向かった。
部屋には電波管理大臣が残った。
すると電波管理大臣の口角はにやりと笑い
「まぁ、せいぜい頑張れよ」と誰もいない部屋で呟いたのであった。
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