Vチューバー戦記
大野源
第1話プロローグ
ビルが並び電光掲示板にはある映像が映っている。
『みんなずぶぬれー!!配信はじめるよー』
そうVチューバーの生配信だ。
コメント欄では
【来たー!!】
【待ってましたー❤️🔥】
【ずぶちゃんかわいーー!!】
なぜ電光掲示板にVチューバーの生配信が映っているのかと言うと、ここはブイトピアだからである。
ここはVチューバーの為のユートピアであり国民はVチューバーになる事が義務付けられている。
それが日常。それが普通。
そしてスマホにもVチューバーの生配信が映っていた。
そう私のチャネルだ。
私の名前は弥生梅雨(やよいつゆ)Vチューバー名甘百合 アマネ(あまゆりあまね)として活動中の高校2年生だ。
「コンザー!!リスナーさんたち生配信を始めるよー』
【来ちゃーー!!】
【落ち着くよねここの配信〜(^u^)】
【それなー】
【今日もV戦記シリーズか?】
V戦記シリーズとは、このブイトピアで一番売れているパソコンゲームである。
ブイトピアの建国から戦争そしてその歴史を忠実に再現されている。
『そうだよ〜。今日もV戦記だよ〜。今回はブイトピアで一番目に大きい出来事ダミーアバター大騒動編だよー』
ダミーアバター大騒動とは今から数十年前突如として全Vチューバーのアバターが一斉にダウした。アバターはそこから数分もしないうちに全電子機器に砂嵐が映り、スマホ・パソコン・電子機器・テレビから、謎の物体が出現した。後に分かったことだが、謎の物体は、Vチューバーが使っているアバターが暴走したものらしくチャンネル登録者が多ければ多いほど強いらしい。
『てことで、やっていくよ!!』
私はSTARTと言うボタンを押した。
とある地下研究所。くらい研究室に一つパソコンの光があった。
「クックック…。後はここを押せばプログラムは再執行される」
男はそう言ってニヤリと笑っていた。
場所は戻り甘百合 アマネの配信にて、V戦記をやっている弥生梅雨。
「ほっやっ!」
V戦記は完全にオーバーワールドで、三人称視点なので臨場感もあってとても緊張する。
コメント欄では
【ガンバーー!】
【すげぇ!!攻撃を全部避けてるぞこの人🔥】
【この人のゲーム配信は人気だからな】
【おかしい…どんなプレイしやがるんだよw】
みんなの反応がゲームに集中しつつあるとき突如、スーパーチャットが上がった。
【大災害丸の助ウケミ¥10000】
【あの大災害俺いたけど何か聞きたいことある?】
とコメントが入ったのだ。
私は直ぐに反応した。
「あ!ウケミさんスパチャセンキュー!!え!?あの災害を間近で見ていたんですか!?マジか~凄いですね!!じゃあ…一つだけ、初代V戦士を間近で見たことはある?」
ゲームをプレイしながら聞いた。
コメントでは
【いやないだろ〜】
【うん、ないない…】
【誰も見れないて言う事を聞いたことあるよ!!見れたのは政府や国のお偉いさんだけだとか…】
私もコメントを見てそんな噂も流れてるのか〜と思いながらウケミさんからの話を待っていた。
しかし、コメントはそれ以降なかった。
ゲームも終わり最後の質問コーナーに移った時にウケミさんからのコメントが来た。
【すみません遅れました。日記を見ていたんです】
「日記ですか?」と反応した。
コメントも
【日記読んでるくらいなら早く情報を出せー】
とか
【まさか…ハッ!!すべてが繋がった!!創作か!】
と名探偵の真似をする人も現れた。
しかしウケミさんは【まぁまぁ落ち着いて】とコメント欄にアップし初代V戦士に会ったかを話してくれた。
【私が初代V戦士に会ったのは瓦礫に挟まって動けなかった時だった。腰に謎のベルト機械みたいなのを着けていた。髪を一つ結びにした感じで、ヘルメットから一つ結びにした髪がなびいていた。
そして彼女?はこう言った。『私はV戦士JP。貴方を助けに来たものよ』と言ったんだ】
その出されたコメントを読みながらコメント欄の反応を見た。するとリスナーの皆も
【そうなんだ〜】
【すげーーー】
という反応が多かった。
するとまた、あの人からコメントが来た。
【今のブイトピアはダミーアバターの他にコードというVチューバー専用アバターが怪物化した物がいるがそれに対抗するために初代V戦士は政府のバーチャルシステムのセーフティーを解除するように勧めたんだとそしてらV戦士が生まれたらしい】
「わぁすごい!!物知りなんですね!!」
私は反応しながらそろそろ配信が終わる時間が近づいていることを確認した。
「それではそろそろ終わりの時間なので配信を終了します!!ダジャレ挨拶おつかれんこん!!バイバイ〜」
【じゃあなー】
【今日も楽しかったぞ!!】
【面白物も聞けたしな!!】
コメントを見ながら配信を終了した。
「V戦士か〜」
ちなみにV戦士とはVチューバーは必ず持っている潜在能力の可視化であり、剣士・魔法使い・タンク・錬金術師・獣人の馬鹿力と身体能力とか色々ある。しかし、このV戦士成には、方法がありチャンネル登録が1000人超えの人であり精神力が高い人がなれるらしい。
ちなみに私はチャンネル登録者数996人である。
「さて今日はもう疲れたから、飯食って風呂入って寝よ」
私はゲーミングチェアーから立ち上がり台所へ歩き出した。セイフティーアバターゾーンにアバターを入れるのを忘れて…。
次の日。
6時に目覚め、ベッドから降りる。
そして私は、昨日配信していたゲーミングpcを見た。何か熱気がするなと思いそのゲーミングpcを触ると、パソコンは尋常じゃないくらいに熱くなっていた。
「熱!!」
私は直ぐにパソコンを起動した。
すると、私のアバターがノイズになっていた。そして次の瞬間、コード■はpcの画面から無理矢理出てきたのだ。
〘グヒヤヤヤヤヤ!!〙
私は呆然とコード■の目の前に立ち尽くした。
梅雨の脳はフリーズしていた。
「あっ、え…。は!!連絡しなきゃ!」
しかし、固定電話は、破壊されていた。
「え、し、死んだ?」
私は死を覚悟した。コード■は、拳に力をため剛速球パンチを繰り出した。
しかし、私にパンチが当たった感覚はなかった。
最初はもうとっくに死んだので痛くないのかと思った。
しかし、目を開けたら拳が目の前に止まっていたのだ。
「え?わたし、死んでな…い?」
そして、私の目の前に白いマントが靡いていた。
「え?誰…」
「私の名は、バリアスネギルドの第2部隊隊長
麻理恵ホワードよ。司令室直ちにリアル空間での戦士プログラム解放の許可をお願いします」
『ラジャー』
バリアスネギルドとは、ブイトピア三大ギルドの一つであり、ブイトピア大三ギルドの中で2位に位置するギルドである。
「早く逃げなさい」
私はすぐに逃げようと後に体を向けた次の瞬間、コード■が私の進行方向に閃光弾を放ってきた。
「きゃあ!!」
「だ、大丈夫か!?」
私はもう一度立ち上がろうとしたが腰が抜けて立てなくなってしまった。
「あ、あぁ…」
「グオオオオオオオオオ」
コード■は私めがけてもう一弾撃ってきた。
「まずい!!」
それを見たホワードさんは私を直ぐに抱き上げ閃光弾を避けそのまま、私を抱えたまま避難した。
因みにV戦士は、バーチャル隔離ルーム入る前に戦士プログラムを使うのはブイトピア法聖により禁止されている。しかし、業務に限り尚且つ救出対象が死にそうになったら臨時的に解放することが許可されている。
「大丈夫?」
「あ、はい」
「貴方は此処から避難して。私はもう一度戻るから」
「え、でも…」
「良いから逃げて…ね?」
「……。分かりました」
そして私は立ち上がり直ぐに私の住んでいる地区
ホログラムパレスシティの地下避難所に向かった。
私の名は麻理恵ホワード。ブイトピア三大ギルドの一つバリアスネギルドに所属している。
さっき家の家主を逃がし、只今現場に急行中。
「そろそろね」
そう言い私は向かっている途中に来たドローンから受け取ったバーチャル隔離ルームメモリを取り出し向かった。
しかし、現場に着いた私が見たのはあり得ない光景だった。
「え、何で討伐対象がいないの?」
そうさっき発生したコード■がいないのだ。
「あ、司令室に連絡しないと!!」
私は耳についてる通信機で本部に状況を説明した。
「バリアスネギルド司令室聞こえますか?」
『こちら本部どうぞ』
「先ほど発生したコードが姿を消しました」
『何!?それはどういうことだ!!』
それを聞いたギルド本部の一番上ギルド長が声を荒げながら言った。
「はい、先に保護対象を避難させて戻ったらノイズの姿はどこにも…」
『そうか、分かった。それじゃあノイズ対策協会に捜索コード221Bの要請をしよう』
「そんなですか大変とは思わないのですが」
『先ほどバリアスネギルドの解析班から解析結果が届いたのだが、コードの身体から自然に発生しているエネルギー、インビジブルエナジーが中型では無く大型に近しいと判明したんだ』
「はい!?大型!?」
私はその解析結果に大声を出してしまった。
『あぁ、しかも大型コードの中でも最頂点であるコード赤と同じくらいのエネルギー量である9.5%が確認されたんだ』
「まずいのを逃してしまった…と」
『そういう事だ。まぁお前のせいではない落ち込むことはない。とりあえず帰還しなさい』
「了解…」
私は大跳躍でビルというビルに飛び移り帰還した。
その頃、地下研究所では。
「クソ!!まさか、コードレッドが押されるなんて」
そんな事を嘆いている男の隅で足音が聞こえた。
「そんなに何を嘆いているんだ?■■■博士?」
ネットリした口調で博士に質問した。
「あ゛?」
「まぁまぁそんな怒りなさんな」
「なんだと?」
博士はすごい不満な顔で謎な男に顔を向けた。
「フンッうるさい!!次は失敗しない!!」
「分かっているよ。僕は君を買っているからね」
博士は、またパソコンの画面に顔を戻した。
「次はどこを襲撃するんだい?」
男がそう聞くと、
「次はホログラムパイプから無差別に色んな所から襲撃しようかと思う。次は絶対に成功させる」
「じゃあ期待しているよ」
そう言い男は研究室を去っていった。
「チッ。ムカつく野郎だぜ」
そう言いまた次の襲撃に備えプログラムを組んでいた。
ホログラムパレスシティ地下避難所。
「はぁ、大丈夫かな?」
私は避難所の角で体育座りしながら待っていた。
すると黒いスーツを着たいかつい男がこちらに向かってきた。
「君が弥生梅雨さんだね?」
「は、はい。そうですけど…」
「私はこういう物です」
そう言い男は名刺を取り出した。
名刺には『ノイズ対策協会会長出雲大國(いずもたいこく)』と書いてあった。
「えっと会長さんが私に何のご用ですか?」
すると会長は口を開き
「単刀直入に言う。君にノイズ対策協会の高校対策課に配属してほしい」
と言ってきた。
「え、ええええええええええええええええ!?」
私は驚きのあまりアニメみたいな大声を出してしまった。
そしてこれが、私のV戦士人生の幕開けだった。
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