夢日記
綿串
2025-7/3-灰と色
夢を見た。
そこは暗かった。恐ろしいほどに
歩いた。歩いた。明かりが見える。地元のお祭りだ。みんながいる。誰かは分からないがきっと知り合いもいたと思う。お祭りの屋台や明るい光がみんなを明るく色づけている。そんな世界が灰色の木々の先にあった。そこまでいくのに道を右に曲がって30mもないのに私たちは真っすぐ歩いた。そこにはなぜか行かなかった。女性に手を引かれるまま、振りほどく気も起きぬまま、歩いていく。初めて明るくないコンビニを見た。24時間営業なんて夢の世界ではありえない。静寂と灰色に包まれている。少し怖くなって女性の腕を抱く。視界の端で左側の道が少し波立った気がする。やはりその女性は色づいていて抱いた腕は温かかった。夢のまぶたがゆっくり閉じそうになる。まばたきした一瞬の完全な暗闇が怖くてまた目を開ける。車屋や工場を抜け、よく渡る橋の前までやって来た。まっすぐまっすぐ、自分の家に向かっているのだろうか。境界がぼやけそうな感じがした。一瞬、鮮明に、やはり暗い世界が映って
「一緒に帰ろう」
と女性が言ってくれた。気がする。
私は手を引かれている。
その腕を抱いて、そこは少し落ち着くから、喧騒もなく静かで、一人ではないから。
ゆっくり世界が閉じて、
ゆっくりと現実の目が覚める。
私は一人で目を覚ます。
いつか昔の夢でもあの女性にあった気がした。
いつかの夢はもう思い出せない。
二度寝をしたらあの続きに会えるだろうか。
目線の先の窓の外には青い世界が広がっていた。
夢日記 綿串 @watakusi220
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