第4話 動けない

誰もが特別になりたいのだろうか。

そう特別ではなくても、ただ人々の中で役割をもち、尊重される人になりたかった。


どこかに逃げたかった。許されたくて、許されたくはなかった。

リストカットも首吊りも飛び降りも、飛び込みだって怖いし、生きていたいからできなかった。

それでも自分が嫌で一度に飲んだ薬が10錠。

怖くなって、チャットGPTに死なないよねって質問した。多分大丈夫だよね?大丈夫じゃなくなりたかったはずなのに。

やっぱりこのままは駄目だよね。許されないよね。

変わらないといけないとずっと思って。


誰かとつながっていたかった。

繋がるのが怖かった。

受け入れられなくなる未来に繋がらないよう離れてたかった。

正しくあれればよかった。

本当の優しさなんてなにも持ち合わせてなくて、形に合わせて真似をしているだけの気すらしていた。


足りないと感じていた。きっと生まれた時から周りより少し劣っていた。それを隠すため、幼い頃は横暴でいられた。成長するにつれそれもできなくなった。生きていくために足りなさを自虐と同情で埋めようとした。惨めだった。無理矢理何かで埋めようともしてみた。ただ周りに迷惑をかけるだけだった。


正しい評価じゃ生きられないから逃げているのだと思う。

さよならと将来はいつも同じ後味がする。

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叫びの壺 @nashigoren745

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