7話 夢と現の狭間で

青年は福祉就労を繰り返す内にいつの間にか壊れ始めていた。心の中にあった歪みが大きくなり延々と壊れる音が聴こえた。そんなある日、青年はあるマンガを見つけて読み始めた。内容はスパイコメディだった。そのマンガを読んで笑いながからそのマンガについてSNSで知り合った人がいた。その人と話している時間は夢の様な時間だった。そしてネットのラジオ配信をしている人にも出会った。その人の名前はユウと言った。ユウの配信を聴いている時も嫌なことを忘れていられる夢の様な時間だった。でも夢はいずれ覚めるもの。配信が終われば、SNSでのメッセージでの時間が終われば現実に戻されて地獄に戻る。青年はいつしか青年は現実と夢の狭間にいる様な曖昧な時間を過ごしていた。ユウの配信でコメントをした時に兄と呼んでいいか聴いたら許してくれたのでずっと求めていた愛情を仮初めの形でも血の繋がりなどなくても兄弟という関係が出来たのがとても嬉しかった。それからはユウの事をにぃにぃと呼び自分の本当に求めていた愛を手に入れる為に欲望をユウの配信では隠さないで生活する事が出来る様になった。

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