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離陸は苦手です。

思わず目をつむりました。

気がつくとシートベルトを握りしめておりました。

本当に飛行機は苦手なのです。

今空の上に居るかと思うと、生きた心地がいたしません。

なんとか気を紛らわせようと音楽を聞いたり、パンフレットを見たり、持ってきた本を読んだりするのですが、どれも効き目がありません。

ですからせわしなくいろんなことをして過ごすしかありませんでした。

確かに気持ちは高ぶっておりますが、やはりいざ飛行機に乗ってみると怖くて致し方ありませんでした。

冷や汗をどれほどかいたでありましょうか。

ようやく着陸態勢となった時には、安堵したのですが、まだ車輪がつくまでは油断がなりません。

きゅるっといって車輪がついた時の幸せな気持ちはなんとも例えようがございませんでした。


空港の雰囲気は、南国のようです。

宮崎に着いたぞと大声をあげたくなるぐらいでした。

この地に名波女史がいらっしゃる。そう思っただけで、興奮してまいります。

なんとか高鳴る胸を沈め沈めてホテルまで移動することにいたします。


空港の外に出るとむわっとした熱気に圧倒されました。

さっきまでの冷や汗が今度は暑さからの汗に変わったのでした。


少し贅沢をしてタクシーでホテルまで向かうことにいたしました。

タクシーの運転手の方は、おしゃべり好きな方でした。

楽しいお話をしてくださいました。

ありがとうございます。

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