凡そ戦いの基本原則として、地位は厳格に、統治は凛々しく、

力は軽快に、士気はゆとりを持ち、心は一つの目標に集中させよ。

戦いの基本原則として、道義に基づいて階級を定め、

部隊を編成し、隊列を整え、縦横の規律を正し、名実を明らかにせよ。

前進時は腰を低くし、待機時は跪坐せよ。

恐怖を感じれば密集し、危険を感じれば坐せ。

遠くの敵を注視すれば畏れは消え、近くの敵を直視しなければ隊列は乱れぬ。

配置は左右を定め、甲士は坐して待機し、誓い（命令）をゆっくりと行い、

歩兵と甲士の配置に応じて装備の軽重を考慮せよ。

馬が興奮すれば、歩兵と甲士も恐怖で密集する。

跪坐や伏せの姿勢からは、膝行で移動し緩やかに誓いをかけよ。

起立や興奮状態では、太鼓で進軍を促し、鈴で停止を命ぜよ。

枚（くつわ）を銜えさせ、誓いを立て、干し糧を与え、坐させ、膝行で隊列を整えよ。

逃亡者を処刑し後ろを顧みるな、喊声で士気を鼓舞せよ。

もし兵の恐怖が甚だしければ、直ちに処刑せず、表情で示し、生きる道を教え、各自の職務を確認させよ。

凡そ三軍においては、兵士は半日ごとに警戒を交代せよ。

禁令は絶え間なく、食事の時間も分割してはならない。

疑念が生じた時、師団を以てすれば服従させられる。

凡そ戦いにおいては、持久力で長期戦に耐え、士気で勝利を得る。

堅固さで持久し、後発で勝利し、心の統一で堅固となり、新鮮な士気で勝つ。

鎧の堅固さで守り、兵器の優位で勝つ。

戦車は密集で堅固に、歩兵は坐陣で堅固に、甲士は重装備で堅固に、兵器は軽快さで勝利する。

兵に勝つ心あれば、敵のみを見る。

兵に畏れる心あれば、恐れるもののみを見る。

この二つの心を共に定め、二つの利を一つにせよ。

両者を統制するのは、権謀を見極めることにある。

凡そ戦いにおいては、

「軽い」状況で「軽く」行動すれば危険である。

「重い」状況で「重く」行動すれば功績はない。

「軽い」状況で「重く」行動すれば敗れる。

「軽い」状況で「重く」行動すれば敗れる。

故に戦いは互いの軽重の較量である。（軽重：兵力、装備、地形、士気、情報、軍略など様々な要素）

宿営時は甲冑兵器を厳重に管理せよ。

行軍時は隊列を慎重に保て。

戦闘時は進退を厳密にせよ。

凡そ戦いにおいて、慎み深ければ満足し、率先すれば服従する。

上官が煩わしければ軽んじられ、余裕があれば重んじられる。

速い太鼓は軽快さを、ゆったりした太鼓は重厚さを表す。

簡素な服装は軽く、立派な服装は重みがある。

凡そ戦車が堅固で、甲冑と兵器が鋭ければ、軽装備でも重装備同然となる。

上官が部下と同じことをすれば成果は得られず、

上官が独断専行すれば多くの死者が出、

上官が生き延びることばかり考えれば疑念が生じ、

上官が死を覚悟すれば勝利を得られない。

人は、愛のため、怒りのため、威厳のため、正義のため、利益のために死ぬ。

凡そ戦いにおいて、訓練は人を簡単に死なせ、道義は人を正しい死に導く。

凡そ戦いにおいて、勝つこともあれば負けることもある。

天運によることもあれば、人の力によることもある。

凡そ戦いにおいて、三軍全体の戒めは三日を超えてはならない。

一部隊の警戒は半日を超えてはならない。

一人の禁令は瞬きする間を超えてはならない。

凡そ大善は根本を用い、次善は末節を用いる。

大略を執り微細を守り、本末は臨機応変に使い分ける。これが戦いの本質である。

勝利とは、三軍が一体となることである。

鼓の用法七つ、

旌旗を振る鼓、

戦車を進める鼓、

馬を駆る鼓、

歩兵を動かす鼓、

兵器を執らせる鼓、

頭を上げさせる鼓、

足を進める鼓。

この七つの鼓を揃えて用いよ。

戦いにおいて、既に堅固であれば重装備にする必要はない。

重装備で進軍しても全力を使い切るな。

力を使い切れば危うい。

戦いにおいて、

陣を布くことは難しくない、兵に陣を布かせることが難しい。

兵に陣を布かせることも難しくない、兵を活用することが難しい。

知ることは難しくない、実行することが難しいのである。

人にはそれぞれ生まれながらの性質があり、その性質は地域によって異なる。

教えによって習俗が形成され、習俗もまた地域によって異なる。

道によって習俗を感化するのである。

兵力の多少に関わらず、勝利した後も敗北した時と同じ心構えでいよ。

兵器の利を誇らず、甲冑の堅さを語らず、戦車の固さを言わず、

馬の良さを称えず、兵数の多さを自慢しない。

これらはまだ道を得ていない証である。

戦いに勝った時は功績を兵と分かち合え。

再び戦う時は賞罰を厳重にせよ。

もし勝利できなかったら、過ちは自分にあるとせよ。

再戦する時は自ら先頭に立ち、以前と同じ戦術を繰り返すな。

勝敗にかかわらず方針を変えるな。これが正しい規律である。

凡そ民は、仁をもって救い、義をもって戦い、智をもって決断し、勇をもって闘い、信をもって専心し、利をもって励まし、功をもって勝利する。

ゆえに心に仁を持ち、行いに義を示す者は、物事を処理する智があり、大いなる勇気があり、長く信頼されるのである。

譲り合って和を保ち、人と調和し、自らは規範に従わず、賢者を推して人に尽くす。

心を喜ばせ、力を尽くさせるのである。

凡そ戦いにおいては、

静かで弱い敵を攻撃し、強く静かな敵は避けよ。

疲れた敵を攻撃し、余裕のある敵は避けよ。

大きく恐れている敵を攻撃し、少しだけ恐れている敵は避けよ。

これが古来からの政治の在り方である。