12日目

昨晩の御飯のあと、身体は動かなくなったけど意識はあったし、一時間程度で動けるようになった。


入浴の際に胸一面に湿疹が出ていることに気がついて報告したら、夕方の点滴がステロイド減量側の変更になったらしかったので、そのおかげで今夜は消灯時間まで余裕かしらと高を括っていた。

気がついたら寝ていたらしい。

ふと目覚めてびっくりした。


自分で寝ようとするとまぁ浅かったり夢を見たりするのだけど、強制終了の場合は時間のワープに近い。

目覚めて寝ていた事に気がついて時計をみて驚く。


動いた後に身体がだるく重くなって動けなくなる。この時間はタイミングや運動強度によって小一時間〜3時間とくらいまでムラがある。

その間に意識を保っていられるかに関してもこちらに選択肢はないらしい。


身体はだんだんと重くなりながら動かなくのがわかったから、動かなくなるのに備えて映画を再生しておいたりするのだけど、ふと気がついたら終わっていたりする。

そこで意識を保てなかったことに気がつく。


入院当初から症状を聞かれる度「動かなければ元気です」と返答し続けてきた。

この状態は変わらないのだけど、だんだん“意味がわかると怖い話”みたいになっていないだろうか。


毎日症状を観察して報告するのだけど、その度に理学療法士さんも若干引き気味だ。

ステロイドによる喘息治療ってハードだなぁとのんびり構えていたけど、お医者様の反応や理学療法士さんの引きっぷりをみると随分とイレギュラーな状態らしいことがわかってきた。

こうして観察して文書を書いていてよかったかもしれない。

症状や気がついたことなど、些細なことでも何か気がつけば観察してメモをし、関連するスタッフさんへ報告する。という習慣は彼女との生活で身につけたものだ。


この文書も、頭も心もぐしゃぐしゃだったから、入院ついでに彼女のことをしっかり考えて自分の中で整理ができればと、彼女とぼくの事を知ろうと書き始めた。

これも彼女のおかげ。すごいなほんとに。


人体も彼女も不思議がいっぱい。

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