彼女のこと

どちらにせよ説明しなくてはいけないビッグな出来事であり存在なので書いておくことにする。

僕には子供が3人いて、3月に一人亡くしてしまった。


でも別に突然じゃない。

先天性の染色体異常があってもともと2週間ももたないとお医者様に言われていたから。

だから彼女が産まれた時、産院で隣のベッドのママさんが旦那さんと赤ちゃんのためにあれが必要、これが必要って楽しそうに話しているのを聞きながら、僕は喪服をポチッった。

来たる時に自分が一番キレイに見えそうな良さそうなやつ。

子どもの頃、参観日に友達から「きれいなお母さんだね」って言われたとき嬉しかったからその時がきたら同じことを言われようとしたんだと思う。

自分はこの子に多分何もできないだろうから少しでもって。


でも彼女は周りが驚くくらい生きて生きて生きてくれた。9年間も!

医療の知識もない僕のへたくそな在宅看護生活で命をつないでくれた。

こんなに幸せなことはない。


もちろん普通の家庭のようにはいかないから彼女の姉と弟には普通なら経験しなくていいような苦労をいっぱいさせてしまったけど。

最期の時も家族みんなで過ごせたから、苦しいなんてもんじゃない壮絶な最期だったと思うけど少しでも家族で過ごす心地よさみたいなものを感じながら逝ってくれたと期待している。

彼女はとても賢く、家族が大好きだったから。

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