天才と馬鹿は紙一重

@sio_kanzaki

第1話 桜

…私は、之雛瀬奈。ごく普通の、頭が悪い女子高生だ。…いや、普通ではないのかもしれない。少し、周りと違うところが多いだけの普通の女子高生だ。

___ 以上、137名。入学おめでとうございます。

どうやら小説ごっこをしている間に入学式が終わったらしい。

……って、ああ…やっと入学式が終わったのか。私は入学式が大嫌いだ。長々しいあの話も、入学を祝う雰囲気も周りのはしゃいだ声も。全てが騒音、雑音、ノイズに聞こえてウザったい。さて、さっさと教室に戻りうたた寝でもしようか。

『では、新入生はそれぞれの教室に戻るように。くれぐれも、迷子にならないよう教師についていくことですよ。』

……だるい

高校生になったら、恋愛とか部活とか遊びとか、全部はっちゃけて楽しんでやろうと思ったけれど、結局は親に決められた女子校。私には行きたい高校はあったのだが、『大学までエスカレーターで行けないから』という後先のことを考えた思考で無理やりここの「私立宝条女子高等学校」に入らせられた訳だ。もっと男の子と付き合ってみたかったし、遊びにも行ってみたかった。親に決められた高校なんて行きたくなかった。よりによって1番嫌いな母親に決められた高校だ。ああ、本当に嫌だ。あんな母親に決められた高校だなんて。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

天才と馬鹿は紙一重 @sio_kanzaki

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る