第11話 七月二十七日 文化祭当日

  今年も去年と同じ場所で本を読む。


「よぉ、朔」


そこに屋台のジュースらしき物を持っていた。


「きたか。磨人。あのことを説明してくれるんだろうな」


朔はそう言って目を細めてきた。


汗が首に垂れる。


「あぁ、そうだ。一体なんのことかわからんな。何だ?メッセージって」


精一杯のポーカーフェイスで誤魔化す。


朔は目をじっくり見てきた。

まるで、「自首をしろ」と言っているかのように思えた。


「そうか」


朔は、短く言った。


「これ飲むか?」


手に持っているジュースを手渡した。


「ん。どうも」


と言って、そのジュースを朔は飲み干した。


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 今回の朔と湊を殺す作戦は朔を拘束するところから始まる。

まず朔にキウイのジュースを磨人が飲ませ朔を倒れさせる。

その後、倒れた朔を、??に引き渡し??が朔を体育館の用具室に監禁。


湊を物理室に呼び出す。

そこで、磨人と??で湊を殺し、朔と湊の死体を山に隠す。


十一時四十五分になると、物理室のスタッフの先生が休憩に入る。

そのため、人がおらず殺すのに一番安全だ。と判断した。

しかし、五十分になると別の先生が交代で来る。


四十五分ぴったりに??が物理室に来ることがこの殺人事件を実行するうえで一番大事だ。早いとスタッフの先生に見つかり、遅いと交代の先生に見つかる。

湊を殺すタイムリミットは五分だ。


「五分で決着をつける」


磨人はそう呟き物理室に向かった。










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