第6話 七月二十六日 文化祭前日
ここから何も起こらずに文化祭の前日になった。
「ごめん!湊」
「ど、どうしたんだよ」
文化祭の前日だからか騒がしいい教室の中磨人が話かけてきた。
「文化祭、一緒に回ろうとしてたけど、予定が入っちゃた」
「あ~、ま〜別にいいよ」
(多分、ハンドボールで回るんだろうな)
「マジでごめん」
「良いって」
そう言って頭を下げながら磨人は自分の席に帰って言った。
(じゃあ、遊技でも誘うか、、、)
そう思っていたら、朝のショートホームルームが始まった。
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どうやら今日は文化祭前日だから授業はなく、文化祭の準備に今日一日を使うらしい。
(去年と同じか)
湊は文化祭運営部にも入っているため、そちらの仕事を優先しなければならない。
文化祭運営部のクラスチームに湊はなっているため、そのクラスチームの集合場所に向かった。
「九重君、投票に使うでっかい紙と丸いシールを買ってきて!」
と、このチームのチーフである川原 明日香先輩が指示を出してきた。
「了解です」
にこやかに答えて買い出しの準備を始めた。
「金井さんも一緒に行ってくれる?」
「了解です」
(金井 りょう、確かボランティアできている人だっけ?)
運営部は人が常に枯渇しているため、こうやってボランティアを募る時がある。
「よろしく、金井さん」
「よろしくね、九重君」
と機械的な挨拶を済ませ、玄関前にいる先生達のチェックを受けた。
「えっと、九重君たちは自転車で買い出しにいくのね?」
とやや圧をかけて言ってきた。
「はい」
と即答した。が、実際は電車でいくつもりだ。
買い出しは歩きか自転車で行くのがルールなため、フェイクとして自転車でいくふりをしなくてはいけない。
それをりょうも理解しているのかずっとだんまりしている。
「了解、事故には気おつけて行ってきなさい。」
そう言うと開放してくれた。
先生達が見えないところまで歩きりょうが話かけてきた。
「意外と楽に行けましたね。」
りょうは買い出しが初めてなのかもしれない。
「うん、意外と簡単に出ることはできるよ。しかも、運営部は意外と電車で行っても黙認されることが多いんだ」
「へぇ〜、やっぱ忙しいからですかね」
納得したようにりょうが相槌をした。
「まー、僕らの仕事が終わらないと文化祭が開催できないからね」
こっから電車に乗って百円ショップに行き無事ほしいものを買える事ができた。
「次の電車は十一時34分だからあと五分後だね」
と腕時計を見て言った。しかし、
「えっ?三十四分ならあと八分後じゃないですか?」
と不思議そうに聞いてきた。
「あ~、俺の時計3分ズレてるんだよ」
「そうなんだ〜、直さないの?」
「んー、まだ良いかな」
そんな会話をして帰路についた。
そっから学校に帰り、明日香先輩に買ったものを渡し、そっから休憩もしないで準備をし、終わりになったのは空が少し暗くなってからだった。
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