目覚ましきをみなと思はるほどならば身をいたづらに逢隈の辺

目覚ましきをみなと思はるほどならば身をいたづらに逢隈あふくまほと


「目覚まし」というのは、素晴らしいなどの意味の他に「不快だ、見苦しい」、そこから転じて「うっとおしい」などの意味も持ちます。


「をみな」は、古語で「女」の意味。つまり「目覚ましきをみな」で、うっとおしい女、ということですね。


また、「いたづらに」は、元が無駄である、虚しいという意味で、そこから転じて「身を捨ててしまいたい」などの意味になります。


「逢隈の辺」は、ズバリ「阿武隈川のほとり」ということ。

※阿武隈川は、古文の世界では「逢隈川」として登場することもあります。

ここも、「逢う」との掛詞の地名として、よく和歌の世界に登場する場所です。


つまり――


「うっとおしい女だと思われるくらいならば、阿武隈川にこの身を捨ててしまいたい」


そんな意味ですね。


☆本家

https://kakuyomu.jp/works/16818622175424657781/episodes/16818622175424774099

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