第3話


今朝…夫が亡くなった。


最愛の夫。


過ちを犯した私と夫の子では無かった香織を、泣きながらに受け入れてくれた優しい人。


あの日から…私は夫に尽くし続けた。


少しずつ夫は笑顔を取り戻してくれた。


私の人生は夫のおかげで…幸せだった。




昨日はあんなに穏やかな顔をしていたのに…


香織も憂也も、もう一度…貴方に会いたかったのに。



悲しみに暮れながら、夫の病室を片付けていると…私宛の1通の封筒が出てきた。


昨日までは無かったはず…



私はカタカタと震える手で、それを開け、手紙を読んだ。








あなたになら…私は壊されても良かった…






それから私は家と帰り…香織と憂也に手紙を書いた。




香織、憂也へ


迷惑をかけて、ごめんなさい。


でもお父さんを1人にさせたくないの。


葬儀は不要です。


お墓もいらない。


一つだけ…私とお父さんの骨を一緒にぐちゃぐちゃに混ぜて、海へと還して欲しい。




書き終えた手紙をテーブルの上に置いた。





あなた…今行くね。






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