第8話 8個目

一度の過ちを犯した少年の最後の話

南沢川 悠希の最期

その日、僕は小学3年の最初の一歩を踏み出そう

そう思っていた時。

僕の家族はフクザツだ、

お母さんはお父さんに殺された

お父さんはお仕事の人とそれを隠してた

流石に僕も一緒は近所の人に感づかれるかもと

僕だけは生き残った。

「おい!お前汚いんだからそこ座んな!」

「ご、ごめんなさい!」

「チッ」

まだ僕が小学生だからかあまり手は出さない

多分僕のお父さんは犯罪を沢山してる

家に銃が置いてあった時があった

ニセモノかとも思ったけど

キラキラと光るコウタクの黒

重そうだなと思った、手をかざしてみたら

僕の手がキラキラと映った

多分ホンモノだと思う。

そしてお父さんの座ってた椅子の手を置くとこ

そこに薬が置いてある時がある

こういうの、警察に持っていったら

お父さんきっと捕まっちゃうかもな、

なんて考えたりするけど

こうなっても僕は、きっとお父さんのこと

好きなんだろうなぁ、って思う

こんなんなっても親なのは変わらない

今日から夏休み、家にいる時間が長い

それは僕にとって悪いことでもあったけど

それと同時にいいことでもあったのかもね

その日僕は夏休み初日で夏風邪になった

くらくらする意識の中で部屋を歩いてた、

もうなんでもいいからラクになりたい、

何かを探していて目に入ったもの、

それはお父さんの薬、

白くて粉末状のお薬、学校で習った

薬物ってヤツなのかも

友達が言ってたな

粉のヤクブツは鼻で吸うとかなんとか

これ使ったらラクになるのかなって

フニャフニャと視界が黄色に歪む

お花が飛んでるみたいで、

何故か夏休み入ってるのに涼しい気がした

少しふらふらとする足取りで

足元にあったパーティークラッカーを手で拾った

何故か冷たくて重かった気もするけど

僕はパーティークラッカーを触ったことも

持ったこともないからわかんないや

部屋の奥を見たらお父さんが笑顔で待ってた

やっと僕のこと見てくれた、笑ってくれた

お父さんにクラッカーを向けた

これでもっと笑顔になるかな

これでお母さんも帰ってくるかな

夏休み中に何処かに旅行でも行きたいな

もちろん家族みんなで

僕の手元から「バンッ」と耳が痛くなる

大きい音が出た。こんな

こんな音が出るものなのかな

お父さんが何か叫んでいた

ふわふわとした泡が弾けるような

目の周りでぱちぱちとなにかが弾けて

明るかった視界がブワァッと暗くなった

それと同時に頭と体の中が痛くて

目の前の赤い液体が流れているのをずっと見てた

「あれ、お父さん?」

お父さんが倒れていた

あんな笑顔だったのに

それと同時に僕は、膝から崩れ落ちて

意識がなくなった

夏休みが終わる頃に僕は見つかった

久萬臣崎菜々小学校ー南沢川 悠希ー

三ノ沢 鋼牙ー3-C組


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