今日からカエル? 何で僕が?

犬時保志

第1話 転生? カエルじゃん!

 僕が歩いて居る所はいつもの通学路、ふと街路樹をみると。

「あんな所に蜘蛛の巣、蝶々が掛かってる」

 無意識に蝶を救出、羽に絡んだ蜘蛛の糸を取ってやり離してやった。


『些細な善行ポイントが10000貯まりました、使いますか?』

 頭に声が響いてる? 善行ポイントって何だ? 10000って何かと交換出来るの? 使えるなら使うか。

「使います!」


 答えた瞬間僕は目眩がして、暗い底に沈んで行った。




「ここはどこ? 大変だ! 遅刻す……あれ? 通学路じゃ無い?」

 取り合えず落ち着く為深呼吸したが、酷い違和感? 何で僕は四つん這いなんだ?


「何じゃこりゃ!! カエルじゃん!」

 水面に映った僕の姿、二度見三度見したが、何度見直してもカエルの姿だった。


 水の貯まった丸い辺りを見回し上を見た、遥上に空が丸く見えた。

 アニメで見た、井戸の底に僕は居るようだ。

 井戸の底のカエル、それがどうやら僕のようだ。


「カエル転生って誰得だよ!!」


 水だけは豊富にある、カエルの僕は水が無ければ干からびる。


 水が豊富でも井戸の底に食べ物は無い。

「外に出るしか無いか? ここを登って行けば良いのだが、高いな……ま、頑張るしか無い!」


 井戸は深く何度も滑り落ち失敗しながら根性で登り詰める事が出来たぼくは、あまりの眩しさに戸惑っている。


 平和な日本育ち、危険な存在など思いもしなかった僕を、上空から狙い掴んで飛び去る小鳥がいた。


「驚いた……僕を掴んで何をする?」

「俺はお前を食う為に捕まえた」


「食べる?」

 そうだった、モズとか普通にカエルを餌にしてる。

 僕はカエルだった! 


 小鳥とは言え、僕より倍ほどデカイ。


 転生して、直後に終了は無いな? 食べる? 逆に食って遣るか!!


 小鳥は巣に帰り僕を離した。


 瞬間大口を開け、小鳥の頭を飲み込み、手足で小鳥を抱き締め動きを封じた。


 小鳥が息絶えるか、僕が力尽きるか命懸けの根比べが始まった。


(転生得点、チートって無いのか? 善行10000ポイントって何に消えた?)






 人間誰でも些細な善行を無意識で行って居るが、蚊蝿を殺虫剤殺しゴキをホイホイで日常的に殺しまくって居る、裏ポイントの方が多いのが普通の暮らしをしている人間だ。

 この場合、善行ポイントは裏ポイントで帳消し、裏ポイント転生が発動……結果はこの通りでした。

【ポイントのご利用は計画的に!】

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