この濃密な場面が999字で描かれていることに驚きました。
「先生」と「助手君」が卵料理を食べている。食べながら会話している。
999字がそれに尽くされているのです。でも作品はそれだけで終わらず、一本の海外映画を観たような満足感を残してくれます。
会話のうち、先生はずっと、助手君に説教じみた不満を聞かせます。作品の題名のとおり、先生は卵料理に強いこだわりを持っているのです。それを延々と聞かされて困る助手君。
このふたりの温度差を楽しむ作品かと思ったのですが、最後の最後に感動的な展開が用意されています。
ふたりの過ごしてきた日々を思うと、心がじんわりとあたたかくなる、微笑ましく、美しい作品です。
素敵な作品に出会えました。おすすめです。