関連した夢
次の日の真夜中に奏那は急に起きだした。なんも前触れもなく突発的に。
「どうしたの。目からは涙が出てるけれど。何かあったの。」
その声は聞こえていないけれどもこちらに座って来た。嫌な夢を見たのだろうか。初めてだったから少し驚いていた。
「なんか嫌な夢だったな。このままなんも言わないでさよならなんて嫌だよ。」
何のことか分からなかったが話を聞いているとなんとなく全貌が見えてきたような気がする。
「止まった時計の事聞いたのが悪かったんだろうな。触れちゃいけないような固まった顔をしていた。なんで聞いちゃったんだろうな。なんで言ってもらえないだろう。」
暗い部屋に机のランプを付けて独り言を吐いた。もしかするとこのままの世界線を夢でも見たんだろう。落ち着くまで座らせることしかできない無力さを痛感していた。寝巻を手で握って悲しそうにしていた。感情が豊かな人なのでこういうこともあるのだと分かった。数十分で収まりかけてきたのでまた聞こえるはずもない声を出した。
「もう遅いから寝たらいいと思うよ。そして大切ならいろいろ知ることも大事だと思う。大丈夫優しい子だからね。」
そういった後で立ってベットに寝ようとしていた。
「ありがとうね。」
聞こえないはずなのになぜかお礼を言われて少し怖くなったが使ったものには礼を言うのが習慣だったことを思い出した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます