ステージ☆マジカル!~今日も戦いはエンタメです~
@yanagi4201
第1話 配信バトル開始!でも魔法少女が遅刻で大ピンチ?
世界には、闇がある。
秘密組織ネビュロス愛知支部は人々を支配し、闇の帝国を築き上げようと日々暗躍している!
そして、闇を打ち倒さんとする光がある!
魔法少女連合愛知拠点は日々、人々のために奮闘している!!!
また、人々はなにも闇に震えているわけではない。
闇と光の闘争をいち早く動画配信し、応援を通して魔法少女たちを助けている!
この物語は、闇と光と人々による闘いの日々を描いた物語である!
~愛知県名古屋市某所バトルステージ~
「はーい、ステージチェックOK!次は音響テスト行きます!」
「あ、スタッフさん、でしたら私がステージに立って吠えるので、チェックお願いします」
オオカミのような姿の怪人が物腰柔らかにスタッフに提案した
「怪人フェル・ルポカさん、いつもありがとうございます。
ではあそこの×マークの上で観客側に向かって吠えてください」
「フェル・ルポカ君!こっちのカメラの方を見て!さらにポーズ!」
怪人は両手を大きく広げ、威圧的な顔とポーズを取った。
「ワオーーーーーーン!」
大きな遠吠えを発し、ステージ周りのギャラリーや配信先の視聴者は歓声を上げた
「はいOKです!さすがルポ君!カッコいいね!」
「ありがとうございます、うれしいです」
「はい、すべてのチェックが完了しました、いったん動画を非表示にします」
視聴者数:5142人
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
<コメント>音量いい感じ
<コメント>対決前のリハの空気感すき
<コメント>見た目と性格が真逆なフェル君がんばえー
<コメント>魔法少女来たら教えて
<運営>先ほど取りましたアンケート「魔法少女側が遅れる」の結果は『71%』で
遅れると結果が出ました
<コメント>草
<コメント>草
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「怪人フェル・ルポカさん、ありがとうございます。これで準備が整いました」
1人のスタッフが怪人に気さくに声をかけた。
「いえ!皆様のお力があっての対決ですので、気にしないでください」
怪人も先ほどの威圧的な雰囲気が嘘かのような態度に変わっている。
「対決開始時間まであと15分…それまでどうされますか?
…今回登場する予定の魔法少女からの連絡がまだないのですが…」
「ステージで武器の手入れやポージングの確認をしてます。
もし魔法少女が遅れても、やることはありますのでお気になさらず
…ホントは遅れてほしくはないのですが」
「わかりました、配信再開は5分後から始めますので、よろしくお願いします」
* 29分後
「魔法少女アウロラ・ロゼ登場!今日も可憐に怪人をやっつけちゃうぞ!」
桃色の髪がかわいい少女が突然空から登場し、同時に魔法少女から放たれたビームが怪人に襲い掛かる!
「フン」
あらかじめ知っていたかのように少しの移動でビームをよけた
「さすが怪人フェル・ルポカね、今度はこの抹殺…」
「おい」
「なーにー」
「遅刻した説明をしろ」
「乙女的にとても大事な用事を済ましていたから遅れました☆」
魔法少女の目は澄み切っている。
「そういう内容では深くは追及せん
…しかし俺はいいが、視聴者にはちゃんと謝れよ」
スッ
「遅れちゃって、ごめんなさいでした」
とても美しいお辞儀で謝罪した。
視聴者数:21475人
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
<コメント>魔法少女のアンブッシュ!(ルール違反)怪人フェル・ルポカは華麗に避けた!
<コメント>い つ も の
<コメント>10日ぶり28回目の謝罪助かる 『1000円送りました』
<コメント>怪人フェル・ルポカ、大人の対応
<コメント>まって、今物騒な必殺技が聞こえた!
<コメント>お前、ここの魔法少女は初めてか?まだ序の口やぞ
<運営>「対決前の質問を受け付けます。
『』に魔法少女か怪人を付けて、質問を送ってください」
<コメント>『魔法少女』乙女的な用事は上手くいったの?やっぱり駄目だった?
<コメント>『怪人』今日の意気込みを教えて!
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「えっと、何とか上手くいきました~、あと少しで…うふふ
で、やっぱり駄目だったとはどういう意味かなー?」
「意気込みは、いつもと変わらんが、今日は速攻で勝つ」
拾ったコメントに答えた後スタッフがステージ中央に向かった。
「はい、両者ようやくそろいましたので、本日の対決を開始いたします!」
スタッフはポケットから500円大のコインを取り出した。
「では、このコインが地面に落ちたら対決開始です!ルールを守って正々堂々と対決をお願いします」
「OK☆」
「アア」
「では、ただいまより魔法少女アウロラ・ロゼと怪人フェル・ルポカの対決を開始します!レディ~~~~~ファイ!!」
キィン!
コインが大きな音を立て、宙を舞い…
「今日は華麗に勝たせてもらうよ~」
「今日はお前を敗北させてやろう」
カァン…
「先手必勝!抹殺のロゼ・スペクトル・ショット☆」
「先手は譲らん!聴け!破壊のルポルカ・ハウリング!」
ロゼが放ったレーザーショットをルポカが発したヴォイスで爆発させた。
黒煙が舞い、視界が悪くなる。
ロゼがルポカの背後を取って左腕からボディブローを放つ!
それに反応し、前によけながらカポエラのように左足が円弧の軌道で、ロゼの側頭部を狙う!
ロゼはブローの勢いを殺さず相手の左足を躱し、ルポカから前転で離れつつ体を相手に向け構える
「さすがだね!―――消滅のロゼ・スペクトル・ガトリング☆」
ドドドドドドドシュン!
複数の美しい光がルポカに襲い掛かる!
「それは食らわん!行くぞ!ラピットステップ!」
オオカミのようにジグザグに駆け回って光弾をかいくぐり、ロゼに近づいた
「もらった!ウルフクロー!!!…チッ!」
右手を大きく開き、ロゼの頭をつかもうとしたが、何かに気づきサイドステップで距離をとった。
「…さすがだな、あと半歩近づいていたら俺はカウンターでやられていただろう」
「んーなんのことかな~、でもちょっと怖かったな☆」
「フン、思ってもいないことを」
お互いに軽口をたたいているが、構えと目線は相手を逃がさない。
10分間、押して押し返す両者の攻防にギャラリー、視聴者のボルテージはどんどん上がっていく
視聴者数:47519人
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
<コメント>うおーーーーーー、迫力あるーーーーー
<コメント>これは強者の風格
<コメント>『5000円送りました』
<コメント>でた、無言スパチャニキ
<コメント>もっと見ていたいけど、子供の送り迎えがががが
<コメント>そういや、もうそんな時間か
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「まだまだ、倒すのに時間が掛かりそうね」
「フン、それはこちらの…ああっ!!!」
突然、怪人フェル・ルポカが叫びだし、見るからに焦りだした
「えっと、その…今日はここまでにしな…しませんか?」
「えー、ここからが本番じゃないのー?」
「その…用事が…子供の迎えの時間が近づいてきて…ですね」
「それはそっちの都合だよね、私には関係ないかなー☆」
「でも、元はと言えばロゼが遅れてきたのが悪いと思うのですが!」
「あー☆そういうこと言っちゃうんだー、どうしよっかなー、まだまだ戦いたくなっちゃうなー」
「な!お、俺もまだ余裕だが、その、きょ、今日はホントこれで終わりにしないか…」
「んー、人にものを頼むときは、それ相応の態度が必要だと思うんだけど、ギャラリーのみんなはどうかなー?」
\この辺でお開きでいいんじゃないー?/
\ルポ君が可哀そうだよー/
「チッ…んっんー、コメントの方はどうかなー?まだ私たちの戦いを見たいよねー☆」
視聴者数:54711人
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
<コメント>正義に負けは許されない、ゆえに精神攻撃も当然する
<コメント>どっちが正義だって?
<コメント>そりゃもちろん怪j
<コメント>しっ!うかつなこと言うと連れていかれるぞ
<コメント>まあ、終わりでいいんじゃない?
<コメント>せやね、息子ちゃんは大事だよ
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「………………滅殺の」
「そこまでだ、よく頑張ったな、怪人フェル・ルポよ」
「その声はグラヴィ・ガルムーン大佐!」
「ここは私に任せて、貴様は早く息子ちゃんを迎えに行くがよい。
家族でレストランに行くのであろう?」
「ありがとうございます、今度息子と一緒にお礼に伺いますので。
フハハハハ、魔法少女アウロラ・ロゼよ、貴様との決着はまた次回だ!」
「…しょうがないなー、今度息子ちゃんの写真を見せてくれたら今回の件は許してあげる☆」
「うむ承知した、では皆の衆、さらばだ」
言い終えるや否や、今日一番の速さで駆けていった。
「今日のところは、こちらの負けということでいいだろう」
「そういうことなら、おっけー☆」
視聴者数:55398人
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
<コメント>これは大佐の器
<コメント>まあ、これで今日はお開きかな
<コメント>誰か魔法少女にツッコまないの?
<コメント>?
<コメント>?
<コメント>いつも通り過ぎて何をツッコむんだい?
<コメント>なんだここは初めてか、そのうち癖になる
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「では諸君、われら秘密組織ネビュロスに興味のあるものはいつでも歓迎する
ホームページから採用情報を見てくれたまえ。ハッハッハ…」
言い終えた瞬間、ガルムーン大佐はワープし姿を消した。
「正義は勝つ!みんな応援ありがとー、
後、魔法少女に興味がある君!一緒に悪に打ち勝とう!それじゃーねー☆」
ロゼは観客やカメラに向かって決めポーズをした後、軽やかに空に飛び去った。
ステージ上に誰もいなくなり、最初のスタッフが撮影カメラへ向かい立った。
「えー、本日の対戦は魔法少女陣営の勝利ということになりました。
次回の対決は3日後の16;00を予定していますので、ぜひご視聴ください。
また、過去の対戦やインタビュー動画など、沢山そろえていますので
ぜひ、この『正義VS悪の対戦管理委員会愛知県支部チャンネル』の
チャンネル登録と高評価、見てみたい対決などをコメントにお願いします。
では、これで配信は終了になります。最後までご覧いただきありがとうございました」
視聴者数:60021人
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
<コメント>次は青とクロウ様が見たいわ!
<コメント>見る地獄がなんだって?
<運営>「本日の対決は終了しました。ご視聴ありがとうございました。」
<コメント>乙
<コメント>888888
<コメント>見ごたえあったからヨシ!
<コメント>そろそろ白色の出番をお願いします!!!!!!
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
次回予告
新たな怪人と赤の魔法少女対決の予定だったんだけど、
赤の魔法少女の予定が変更になっちゃった!
代わりに来たのは青の魔法少女!
だけど青とその怪人はどうやら因縁の関係のようで…?
次回、ステージ☆マジカル!
因縁の対決!ネビュラ・シエルVSクロウ・ザ・ナイト!
次も絶対に見るんだぞ☆
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます