懐星
親指だけで浸れるような
ありふれた白昼夢には
流行りの歌が溢れかえっている
新種の絶望 使い古しの希望
それらさえ持ってない
空っぽの僕からこぼれた
思いがけない涙について
「愛」だとか言うやつがいて
そんなわけないのに
そうだといいなって
一瞬だけ寂しい夢を見た
幅広なピースサイン
その指と指の間で暮らしてみたいよ
忘れられた花瓶の花みたいに
静かに腐敗して終わるのもいいね
処理できず抱えていた
そんな歪な感情の全てを
今夜解き放ってゆけたなら
明けの空、そっと消えゆく懐星の
末路なんか見ず
静かな眠りにつけるのに
船出 星るるめ @meru0369ymyr
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます