第25話「え、もう戦わなくていいんですか?」

魔神を倒した直後のえーさんは、魔王と並んで王都に降り立っていた。


「ついでだから、あいつも倒しとくか?」


「いやいや、さすがにそれは……でもまぁ、話はつけておこうか。」


王城の玉座に震える王様。

目の前には、世界最強コンビ――えーさんと魔王。


「わ、わかりました! 平和条約、締結いたしましょう!」


こうして、人間と魔族の和平協定が結ばれた。


条件はただ一つ。


「襲ってきた奴は、倒していい。」


という、実にゆるいルールである。


「……あれ、これって今と変わらないのでは?」


「むしろ明文化されたぶん平和じゃな。」


戦いの終わりと共に、魔王軍の軍備は不要に。


だが、魔族世界は弱肉強食の掟が支配する。


「では、各地にアーマンタイトスライム牧場を展開しよう。」


えーさんの夢だった“アーマンタイトスライム牧場フランチャイズ計画”がついに始動。


位置義理堅、ルベル、グライム、カラットの四天王は、それぞれの牧場支部長に任命された。


「俺たち、スライム育成が本業になるのか……。」


「意外と楽しいぞ?」


「わたし、牧場服が似合うと思ってたんです。」


「スライムに乗って旅回れる! サイコー!」


そんなわけで、魔王軍は平和産業に従事することとなった。


一方――


牧場本部に帰ってきたえーさんは、ログハウスのソファでふと考えた。


「……これ、自宅に帰るより贅沢じゃね?」


風呂は広く、飯はうまく、スライムはもちもち。


何より、そこには――


「えーさん、ただいまー!」


「ぷるぷるっ!」


キラキラ笑顔のあーちゃんとおーちゃん。


「……ああ、ここが俺の帰る場所だな。」


えーさんは目を細め、微笑んだ。


その後、えーさんと勇者パーティーの冒険譚は語り継がれ、やがて“伝説”となった。


世界を救った“勇者の代理”と、その仲間たち。


だが、本人たちはそんなこと気にせず、今日ものんびり牧場ライフを満喫している。


めでたし、めでたし。


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やぁ!僕は勇者のバックアップ! @fuu349ari

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