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けど、今日は違った。
「なんなのあいつ」
鼻息荒く椅子に座り直し、
冷めてしまったカレーうどんを勢いよくすするリナ。
「まだ蓮が好きとでも思ってんなら大間違いだっつーの!ねえ?」
その言葉に、思わず吹き出しそうになった。
ニヤっと笑った私に、首をかしげて
「なんで笑ってんの」と少しむくれた顔をする。
さっきまで胸の奥をざわつかせていたものが
いつの間にか、和らいでいた。
「ありがとね」
「なにが?」
「いや……なんでも」
「こういうときの友達でしょー?」
リナはあっけらかんと笑った。
私を守ろうと、
私のために声をあげてくれた。
誰かが自分のために声を上げてくれること
それがこんなにも心強いなんて、
知らなかった。
自分のことは自分でしか守れない
自分でどうにかしなきゃ、って
ずっとそう思って生きてきたから。
けど、そうじゃない。
誰かが隣に立ってくれるだけで
壊れずに済むことがある。
今日はちゃんと、戻って来れた
あの頃に引き戻されず、今を見てる。
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