いけ好かない魔女、ネリヤ シュリについて
月餠
第1話
「国潰しの魔物マジム、観念なさい。」
瓦礫の残骸に叩きつける様な雨が降り注ぐ中、凛とした声がはっきりと聞こえる。声の主はネリヤ シュリ、人間界では名の知れた魔女らしかった。
「ハ…うるせえ…!お前も食いちぎって殺してやる…!」
抵抗する様に身を捩ると、全身に鎖の様に巻き付いた呪印が赤く光り、刹那焼けた様な痛みを覚え思わず呻く。忌々しいこの魔女の魔法だ。俺よりずっと小さいくせに、魔物であるこの俺を組み伏せたその魔女を、俺は牙を剥いて睨みつけた。
「あなたには、私を殺せませんよ。」
奴はそう言って、手に持っていた杖の先を俺にむけた。
「私もあなたを殺しはしませんが…とはいえ相応の報いはキッチリ受けていただきますよ。」
その時の、ゾッとするほど綺麗な笑みに、俺は思わず息を呑んだ。
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